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医師派遣計画、第3次募集へ=キューバが2400人勤務

ニッケイ新聞 2013年12月6日

 連邦政府の医師派遣政策「マイス・メジコス」の第3次の募集が11月28日に始まった。同月29日付エスタード紙が報じた。
 政府はこの政策で来年3月までに1万3千人の医師派遣を公約しているが、目標達成には今後6337人の医師を追加募集しなければならない。現時点では、医師派遣を要請した4025の自治体の3分の1しか要請が満たされていない。
 国内で医学部を卒業したブラジル人医師は今月9日まで、外国人を含め国外で医学部を卒業した医師は13日までに申し込む必要がある。その後選抜が行われ、23日に結果が発表される。合格者は来年1月6日から3週間研修を受け、2月10日から勤務を始める。
 現在この政策で3663人の医師が勤務しており、キューバ人医師が65%の2400人いる。現在も3千人のキューバ人医師が研修中で、来月から勤務開始の予定だ。
 過去2回の募集ではブラジル人の医師の応募が少なく、パディーリャ保健相は残りの枠をキューバ人医師で埋めることも辞さないと明言している。
 第一陣として派遣されたキューバ人医師のうち76人は、保健省による仮の医師登録書の発行が遅れ、当初の予定より3週間遅れで11月27日からサンパウロ市内で勤務している。そのうちの一人、サンパウロ市北部の保健所で働くタオマーラ・ロドリゲスさん(51)は国外での勤務経験が豊富だ。ベネズエラの貧困地域では、勤務した7年のうち3年をインディオの集落で過ごした。「プログラムに応募したときは孤立した地域に派遣されると思っていたが、こんな都会だとは思わなかった」と話すタオマーラさんだが、市周辺部のファベーラに住む人々の住環境の劣悪さに驚いているという。
 なお、キューバ人医師の〃輸入〃に関しては両政府間の別に協定が結ばれており、医師の月給は伯政府から米州保健機構経由でキューバ政府に支払われ、そこから各医師に分配される。実際に医師が受け取る金額はこのプログラムで働くブラジル人医師が受け取る金額の25〜40%とみられており、これを含めた労働条件が違法だとして、ブラジルの連邦検察庁が8月下旬に始めた捜査は、現在も続いている。