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サッカー全国選手権=最終試合で不名誉な大乱闘=ヴァスコは敗れ2部落ちも

ニッケイ新聞 2013年12月10日

 8日、サッカー全国選手権最終節のヴァスコ・ダ・ガマ対アトレチコ・パラナエンセ戦で、応援団同士が乱闘を行い、4人の負傷者が生じた。9日付伯字紙が報じた。
 サンタカタリーナ州のジョインヴーレ・アリーナで行われていた試合の前半17分、両軍の応援団が、どちら側の応援団にも属していない中立の観客席で取っ組み合いの乱闘を行なった。
 この乱闘では、観客席後方に転落し気絶したパラナエンセ側の応援団員をヴァスコ側の応援団員が踏みつけ、さらに釘のついた凶器で襲い掛かった。これらの生々しい光景は報道写真で撮影されたのみならず、テレビでも生中継で映し出されていた。
 この乱闘で、ウイリアン・バチスタさん(19)ら4人が負傷、ヘリコプターで病院へと運ばれた。バチスタさんが頭蓋骨骨折を起こすなど、3人は重傷だったが、命に別状はなかった。
 一方、凶器を持っていたレオーネ・メンデス・ダ・シウヴァ容疑者(23)ら、ヴァスコの応援団員3人が逮捕された。
 パラナエンセは10月6日の対コリチーバ戦で応援団が乱闘した責任で本拠地パラナ州クリチバでの試合が認められないため、最終節はサンタカタリーナに場所を移し、危険な応援団を入れないとの主旨で試合を行なう予定だった。そのため、試合中は観客席に軍警を配備しておらず、パラナエンセが依頼した警備隊のみと、甘い警備の中で試合が行なわれた。
 事件後は、来年W杯を控えた時期の乱闘ということもあり、各国のメディアもこの乱闘劇を不安要素として報じた。
 なお試合は61分の中断の後、パラナエンセが5対1で勝利した。この勝利でパラナエンセは来年のリベルタドーレス杯進出を決めた。一方、敗れたヴァスコは全国選手権2部落ちとなった。この日はもうひとつのリオの名門フルミネンセも降格が決まった。