ニッケイ新聞 2013年12月12日
リオ市やその周辺部は10日夜から強い雨に見舞われ、11日は各所で洪水や土砂崩れ、家屋倒壊などが起き、警戒態勢がとられた地区も出た。
11日付各紙サイトによると、リオ市での11日2〜14時の降雨量はマドゥエイラ196・6ミリ、イラジャ189ミリ、ピエダーデ184・2ミリなど、12月の月間平均降水量(150・3ミリ)を超えた地区が続出した。
バイシャーダ・フルミネンセのノヴァ・イグアス市は、11日午後1時前、政府の特別措置なども要請できる非常事態宣言を出した。同市の学校は授業を全面停止、127の学校などに2千人以上が避難中だ。ケイマードス市も市内19カ所で広範な冠水が起き、土砂崩れ5カ所、家屋倒壊8軒などとされ、警戒態勢に入っている。
リオ市内では43のコミュニティで警報が鳴り響き、サントス・ドゥモン空港や地下鉄、電車が一部運行停止など、北部を中心に被害が出た。昼前からは雨脚が鈍り、アレモン地区のロープウエーなども運転を再開。昼前の速報では、ショッピングなどと契約したサンタクロースの8割は交通手段が止まって欠勤又は遅刻とあり、市内の混乱振りが伺われた。エドゥアルド・パエス市長は「イラジャやパヴーナの冠水は予想を超えた」とし、排水設備の再点検を行う意向を示した。
11日午後3時現在、リオ市と周辺での死者などの報告はないが、ヅットラ街道などでは立ち往生した車を強盗事件などが発生。住民が積荷を持ち出す姿も見られた。
リオ市では先日も死者が出る豪雨を見たが、この夏は強い雨が降ると予想される地域も多く、警戒が必要だ。11年の集中豪雨で900人を超える死者が出た同州山間部では、その時削られた山肌がむき出しの地域も見られ、家屋再建なども含む対策の遅れは顕著。山間部住民には注意事項を書いた紙を冷蔵庫に貼るための磁石や雨合羽などを含むキットが配られたが、専門家は焼け石に水と評価している。
雨対策の遅れは全国共通で、7日付エスタード紙は、サンパウロ市の危険地区での移転完了家屋は3年間で10%のみと報じた。