ニッケイ新聞 2013年12月13日
米国フロリダ州オーランド市で7日、ブラジル人一家3人が遺体で発見され、現地警察が捜査に乗り出した。一方、ブラジルの遺族達は、遺体を搬送するための資金を集めるべく、キャンペーンを開始したと12日付伯字紙やサイトが報じた。
死亡したのは、5年前からフロリダ州に住んでいたマルシオ・フェラース・ド・アマラルさん(45)と妻のクレディオネさん(34)、娘のウェンディさん(10)の3人で、2009年にオーランドのコンドミニアムに住み始めてからは一度も帰国していなかったという。
一家が住んでいた家はシカゴ在住のジェラウド・マストロさんの所有で、家賃はいつも期日前に払われていた。ところが、10月から様子が変わり、家賃を滞納。11月初めにメールで督促したところ、クレディオネさんがなるべく早く払うと返答したものの、その約束は12月になっても果たされなかった。
3カ月分の家賃滞納に痺れを切らせたマストロさんは、オーランドに出向き、一家が住む家の呼び鈴を押したが返事はなく、強い異臭を感じたため警察に通報。駆けつけた警官が、車庫の中にある車の中で死亡していた3人の遺体を見つけた。警察によると、遺体は死後3週間以上経過し、腐敗臭が漂っていた。
アマラルさんは数カ月前から失業中で、クレディオネさんがディズニーランドで働いて得た収入だけでは一家を支えていく事が出来なくなっていたという。警察ではアマラルさんが妻と娘を殺して自殺したという仮説を立てて捜査中だ。
クレディオネさんの姉のスエニア・ラッペントールさんによると、ブラジルへの遺体搬送費は5万3千レアル必要で、遺族にはそれだけの金がないため、インターネットで協力を呼びかけている。