ニッケイ新聞 2013年12月14日
こと、いたずらや仕返しなどにユーモアに富んだものが多いブラジルだが、今、「コンクリートに埋められた車」がちょっとした話題を呼んでいる。
これはミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテ西部で起こった。あるガソリン・スタンドの隣にある、建設中の商用ビルの前の敷地に、中古車販売を手がける弁護士のマルシオ・パレイラス・ドゥルモンドさんが、販売用の車を駐車させていた。
だが、この敷地は舗装する必要があったために、工事業者がドゥルモンドさんに3週間にわたって車を移動させるように頼んだ。だがドゥルモンドさんは「車には触るな」「市の許可も取ってある」と耳を貸そうとせずにそのままにしていた。
そこで工事業者は市に、ドゥルモンドさんは「車の違法販売を行っている」と訴えた。
さらに業者は、車が停めてある場所は建築許可を取ったときに歩道として舗装することになっている場所だという理由で、車の存在を無視したまま、11日にコンクリートによる舗装を敢行した。コンクリートのブロック材を並べた後に流し込まれたセメントは10センチ余り。前輪側は車体が重く、バンパーに触れんばかりの高さまで流し込まれたため、ドゥルモンドさんの車はタイヤの3分の1ほどがコンクリートに埋まってしまった。
コンクリート漬けにされた車の存在は広く知られ、町の観光スポットにまでなったが、ドゥルモンドさんはそれにもこりず、12日にはほかの車3台もそこに並べていたという。
あまりにも多くの人が集まってくるようになったため、建設業者は従業員らに命じて、13日に車の周りのコンクリートを取り除いたが、業者側はドゥルモンドさんが即刻、車を移動させることを望んでいる。(13日付アゴーラ紙、11日、13日付G1サイトより)