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サンパウロ市地下鉄カルテル疑惑=州政府3要人が最高裁審議へ=連邦警察が調書を提出=ヌーネス副候補は免れる=PSDB首脳の反応は?

ニッケイ新聞 2013年12月14日

 サンパウロ市地下鉄・CPTMと連邦直轄区のカルテル疑惑に関し、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事直属の長官らサンパウロ州政府要人3人(休職中の下院議員)と現職下議の関与を示す調書が連邦最高裁に届けられた。13日付伯字紙が報じている。

 連邦警察の調書で名前が挙がった下院議員は、エジソン・アパレシードサンパウロ州府長官(民主社会党・PSDB)、ジョゼ・アニーバルサンパウロ州エネルギー局長(PSDB)、ロドリゴ・ガルシアサンパウロ州経済開発局長(民主党・DEM)の3人の州政府要人と、アルナルド・ジャルジンサンパウロ州連邦下議(社会大衆党・PPS)の計4人だ。
 この4人は、11月23日付本紙で報じた、カルテルに絡んだドイツの企業シーメンスの元販売局長エヴァートン・ラインハーマー氏が経済防衛行政審議会(Cade)に渡した報告書で、カルテルの仕掛け人的存在とされるロビイストのアルトゥール・テイシェイラ氏に極めて近い人物とされた。アパレシード氏とジャルジン氏に関しては収賄も指摘されていた。
 一方、ラインハーマー氏の調書で「テイシェイラ氏と近い人物」と言及された、14年の大統領選で、PSDB党首のアエシオ・ネーヴェス氏出馬の際の副をつとめると見られているアロイージオ・ヌーネス・フェレイラ上議や、ジュランジール・フェルナンデスサンパウロ州運輸局長(PSDB)、ヴァルテル・フェルデマン連邦下議(ブラジル社会党・PSB)、カンポス・マシャド連邦下議(ブラジル労働党・PTB)、ジョゼ・ロベルト・アルーダ元連邦直轄区知事、タデウ・フィリッペ連邦直轄区副知事(民主運動党・PMDB)の名前は言及されなかった。
 連邦警察は、2008年にフランスのアルストン社が同カルテル問題に関して贈賄を行っていたことが発覚した後から調査を行い、テイシェイラ氏や元CPTM総裁のオリヴィエール・オッセピアン・サレス・デ・リマ氏、元同局長のアデミール・ヴェナンシオ・デ・アラウージョ氏、同じく元局長のジョアン・ロベルト・ザニボーニ氏と同氏の娘のマリアーナ氏とミレーナ氏の6人を既に起訴している。
 今回の調書に関する最高裁の審理は、ローザ・ウェバー判事を報告官として行なわれる。
 サンパウロ州での1998〜2008年のカルテル疑惑に関しては、PSDB政府が「知っていた」とも指摘されて問題となっているが、その間に第一政権(2001〜2006年)を担ってもいたジェラウド・アルキミンサンパウロ州知事は、ラインハーマー氏の英語での調書に不審なポルトガル語訳があったことを指し、「選挙前にPSDBを狙ったあてつけだ」として問題にしていない。
 一方、PSDB党首のアエシオ氏は11日、30人ほどの報道陣を前に「もしPSDB党員が本当に収賄に関与していたとしたら、刑務所に行くべきだ」と語っている。