ニッケイ新聞 2013年12月14日
ADESCからは栖原マリーナさんらが「コチア組合崩壊当時、75支部、1500人ほどの婦人部員がおり、ADESCはすぐ結成された」と創立経緯を話し、「現在12支部。93歳の最年長者もおり年1回の全体親睦会にも参加する。何を行うかが大事でなく、一同が集まることに意味がある」と強調した。
2010年度「にっけい文芸賞」で受賞した、法人登録十周年記念誌『絆』にも触れ、「ほかに対象作がなかったから」と冗談交じりに謙遜しながらも、「私たちにとっては宝物であり自慢。現在はポ語での新たな本の出版作業を進め、原稿を用意している最中」と報告した。
またヴァルジェン・グランデ・パウリスタ支部は、「若い世代も加わり、新たに塩麹、米粉ケーキの販売を行っており順調」、カッポン・ボニート支部は「じゃがいもの種子研究や、テクノロジーによる精密農業を行っており、収穫量やコストなどを分析、管理し、抜群の経済効果をもたらしている」と充実した活動を伝えた。
サンタカタリーナ州フレイロジェリオ市のラモス移住地からは文協婦人部が参加。「今年初めて非日系の役員も生まれた。来年は入植50周年。剣道、生け花などの文化活動に加え、観光事業により力を入れたい」と今後の展開を示した。
開催地からはサンフジ会長の清水マルガレッチさん。「『サンフジ会』は意見交換、お茶の時間を楽しむことなどを目的に、農協組合員の奥さんを中心に約45人で発足した。掛け持ちの農協婦人部としても、直売所を拠点にりんごのジュース、ジャム、ようかんなどを生産、販売している。姉妹州県の青森と手を取り合い、県連日本祭りにも出店している」と紹介した。
三重県から伊藤和子さん(58)、群馬県から茂木(もてき)和子さん(58)、岩手県から村上祐子さん(65)が活動報告を行った。
三重北農業協同組合(JAみえきた)の支部で女性部の部長を務める伊藤さんは、「米消費の拡大と、桑名市長島町の郷土料理の『箱ずし』を盛り上げよう」と、05年に立ち上げた「すし工房なばな」を紹介、これまでを振り返った。
3年目の07年には、食アメニティコンテストで農林水産大臣賞という表彰を受け、「予期せぬ驚きの結果だったが自負している。平均年齢68歳、今まさに働き盛り」と力を込めた。
農業を通して地域の活性化を目指す団体、「甘楽(かんら)富岡農村大学校」の茂木さんは、「地産地消、有機栽培、農薬低減をテーマに、値段が高くても、安全で上質の生産物が必要。地域と農業を元気にするための地域ブランド「純愛」によって、地元生産者の支援や、JICA研修生の受け入れも行う」と話し、民間団体から、農の学び舎として国際交流する様子も伝えた。
最後に、JAいわて中央の盛岡地域から女性部を代表し村上さん。「00年にオープンした産直『あいさい館』で、商品を出品する地域住民は生き生きと生活している」様子を伝えた。
その後は6組に分かれグループ・ディスカッション。各組織や地域の展望、次回に向けての話し合いがなされた。
初日を終え、会場を移しサンジョアキン日本人会での親睦会へ。同婦人会による食事、お酒のおもてなしを受ける中、バイオリン演奏や沖縄民謡の披露、ジャンケン大会、童謡「ふるさと」の合唱をもって充実の一日が終わった。(つづく、小倉祐貴記者)