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かずま忌=「気張らないで悠々と」=ゆったりと俳句三昧の一日

ニッケイ新聞 2013年12月14日

写真=投句する参加者









 第8回かずま忌俳句大会が7日、サンパウロ市の文協ビルで開催され約30人が集まり、故富重かずま氏を偲び、その思いを俳句にのせた。まず黙祷が捧げられ、大会委員長の池田童夢さんは「停電の中ではあるが、協力しながら立派に大会を行いましょう」と呼びかけた。
 富重久子主宰は、一時腰痛が悪化して大会開催に不安を覚えた時期があったと明かし、「今は復帰してむしろより健康になった。年齢の境地に合った句を読みたいと思う。あまり頑張らないで悠々と学んでいきましょう」と述べた。
 伊那宏さんは「かずま先生とは25年ほど前から、親しくさせて頂いた。当時言われた『俳句は旧仮名遣いに限る。格調が全く違いますね』という言葉が忘れられない」と語った。イトゥ市から駆け付けた関山玲子さん(85、東京)は、「13年前から始めた。俳句大会に参加するためにサンパウロ市まで来るんです」と笑顔を見せた。
 句の披講が行われ、受賞者には賞品が送られた。選考の結果は次の通り(敬称略)。富重久子選「かずま賞」は「亡き句友に聞きし人柄かずまの忌」(鈴木文子)、次点賞「金魚鉢誰とも逢はぬ日曜日」(小斎棹子)。池田童夢選の特選賞「金魚鉢中の一匹舞う如く」(渋江安子)、次点賞「御遺影のひとしほ若くかずまの忌」(若林敦子)、広田ユキ選の特選賞「出目金魚テレスコピオと名札あり」(建本芳枝)、次点賞「雷神の一閃雨を引きつれて」(馬場園かね)、浜田一穴選の特選賞「手に受けて金魚の命跳ね回る」(水野昌之)、次点賞「かずま忌や集ひたまふか天の句座」(伊藤智恵)、小斎棹子の特選賞「子ら寄らぬことにも慣れて年用意」(伊那宏)、次点賞「当て外れの年でありしが惜しみけり」(林とみ代)、伊那宏選の特選賞「雷に覚め遠のく雷に眠りけり」(水野昌之)、次点賞「歳時記にまだのらぬ季語かずまの忌」(荒井寿恵美)。