ニッケイ新聞 2013年12月18日
米国の人材コンサルタント会社、ロバート・ハーフ社が世界13カ国で行った調査によると、ブラジル人労働者は、世界で最もストレスにさらされているという。
ケ・セラ・セラの世界で、ストレスには程遠いという印象の強いブラジル人だが、13カ国の大手企業役員達に聞き取り調査を行なったところ、従業員がストレスや不安に直面しているかという問いに対し、ブラジルでは回答者の43%が「はい」と答えた。この数字は13カ国平均の11%を大きく上回っており、ブラジルの労働者はストレスにさらされている度合いが高いといえる。
同社では、ブラジル人のストレスの原因は、結果を要求される重圧感、仕事量の多さ、才能や努力を認めてもらえない事などと分析。労務省にある、2010年以降、強度のストレスや適応困難が原因の離職者が41・9%増えたというデータは、同社の調査結果を裏付けている。
社会保障省の労働者健康政策担当者のマルコ・アントニオ・ペレス氏によると、以前なら10〜15人で行っていた仕事を現在は1〜3人で行っているため、精神的な重圧感や職場での責任が増した結果、精神的に病む人も増えているという。
ストレスによって生じる症状は、精神的な疲労感、寝て起きた時に疲れが残っている、気分が突然変わる、体重の変化(太る場合とやせる場合の両方がある)など。
パラナ州クチリバ市の自動車組立工場では、結果を出す事を求められる事で感じる重圧感を軽減するため、フレックス・タイムを導入、体を動かすアカデミアへの参加奨励や従業員のためのダンス教室開設などの対策を講じた。
従業員の生活の質向上のための対策は従業員の幸福感につながり、労働意欲も向上。離職者も出ず、工場の業績も好転するなど、雇用者と被雇用者の双方に好結果をもたらしている。(16日付G1サイトより)