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日下野良武氏らに栄誉=東久邇宮国際文化褒賞=ブラジルでも新年から門戸開放へ

ニッケイ新聞 2013年12月20日

写真=10月に同文化褒賞を受けたみなさん(前列左から3人目が日下野氏)









 東久邇宮記念会(吉村靖弘会長)による「東久邇宮国際文化褒賞」の記念式典が10月10日、東京・六本木の国際文化会館で執り行われた。13人の受賞者の中には、ブラジル初となるサンパウロ市在住のジャーナリスト日下野良武氏(70)も含まれており、30年以上にも及ぶ日伯交流の架け橋となった功績が改めて称えられた。
 日下野氏は受賞の報に「私などに頂いて本当にありがたい。突然の話で驚いた」と喜びの様子。同氏のほかにはコロンビア、ニューヨーク、パリなど各国の研究機関で政治学博士として活躍した高橋一男氏、情報通信技術の分野でシステムの開発や構築に携わり、小惑星探査機「はやぶさ」の部品開発にも寄与した仙石通泰氏、モンゴル砂漠やゴビ砂漠の緑化事業など地球に優しい環境作りに貢献した牧野光氏などが褒賞を受けた。
 東久邇宮稔彦王と同妃聡子内親王の第一王子である東久邇宮盛厚氏の哲学には「発明には上下貴賎の区別はない。ノーベル賞を百とるよりも国民一人一人の小発明家が大切だ。うまいミソ汁を考えた人には『文化勲章』を与えよ」というものがあり、その晩年にこの文化褒賞が設けられた。現在では高松宮賞、秩父宮賞とともに三大宮様賞として親しまれている。
 2010年に逝去した同記念会初代会長の豊沢豊雄氏は、「今後は世界へ顕彰事業を広げて欲しい。殿下の想いは日本に留まらず、世界へと伝わっていくべきものだ」との言葉を残したことから、国際文化褒章としても発展している。
 当地には東久邇宮稔彦王の第四王子として生まれ、1947年に皇籍離脱して多羅間家の養子となった多羅間俊彦氏が移住した深い縁があることから、日系社会、ブラジル社会に同褒賞の門戸を広げる動きが始まっている。
 現在、多羅間氏は顧問として「ブラジル支部」の組織化に向け、日下野氏が中心になって協力者に呼びかけを始めている。「これからはブラジルで受賞者を生むような道筋を作りたい。褒賞推薦事業を当地で行えれば」とも展望した。勲章は難しくとも日系社会、ブラジル社会に影ながら多大な貢献をしている地方の個人を推薦して欲しいと呼びかけた。
 東京で行われる式典に本人が出席するとの条件はあるが、人種国籍を問わず、多様な分野での功績が顕彰されるという。問い合わせは日下野氏(11・5579・6691)まで。