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エアバッグ等の搭載義務化=来年から全国産車に適用=コンビ車だけは例外措置か

ニッケイ新聞 2013年12月21日

 ギド・マンテガ財務相は17日、来年1月からは国産の新車にエアバッグとABSブレーキの搭載を義務付けると発表した。同大臣は先週、これらの安全装置の搭載義務化を16年まで先送りする可能性を示唆していたが、従来の通告通りの決定となった。18日付エスタード紙が報じた。
 搭載義務化は09年2月、連邦議会で承認されたもので、適用準備期間は5年間とされていた。16年までの先送りを政府が検討していたのは、搭載義務化に伴う新車価格上昇でインフレ指数が押し上げられることと、一部車種が生産中止に追いやられて失業者が増えることを懸念したからだ。しかし、これに対しては「自動車運転手の安全確保よりインフレ軽減を優先している」との批判も出ていた。
 マンテガ氏によれば、この義務化で新車の最終価格は1千〜1500レアル程度(4〜8%)上がる見込みだ。「価格上昇で来年は販売台数に影響が出る可能性がある。しかし、業界の一部では(安全装置搭載への)準備ができているので、従来の決定通りで進めていく」と話した。
 来年からの義務化を免れる可能性のある唯一の車種はフォルクスワーゲン社のコンビ車だ。同車種はこれらの安全装置を搭載できる構造になっておらず、生産打ち切りも発表されていたが、政府は同社従業員の雇用確保のため、同車種の生産をあと2、3年許可することを検討中だ。ABC金属労組のラファエル・マルケス会長によれば、コンビ車への優遇措置によって4千人の従業員が解雇を免れるという。
 販売数が多いセルタ、ゴルG4、ウノ・ミレーも構造上、安全装置の搭載は不可能で、これらの車種の生産中止は2万人の従業員の雇用に影響すると同会長はみる。「一部の従業員受け入れを申し出た会社もあり、大量解雇が起きないよう働きかける」と話している。また、同会長はこの義務化は段階的に実施されるべきとし、「新たな規則の適用は新車の95%までにすべきだと我々は主張している」と言う。
 義務化に伴う新車価格高騰を抑え、電動車など新型車開発を促すなどの目的で、全国自動車工業協会(Anfavea)は外国製の自動車部品の関税を16〜18%から2%に引き下げることを要請した。政府と事業主らは来週初めにこの件とコンビ車への例外措置に関して話し合うが、19日付ヴァロール紙によれば、国家交通審議会がコンビ車への例外措置を拒否し、コンビ車生産は19日で終了の見込みだ。
 マンテガ氏は自動車へのIPI(工業製品税)を来年から段階的に引き上げることも合わせて発表したが、具体的な税率は明かしていない。自動車業界ではIPI減税で12年5月から今年11月までに1万人の直接雇用が実現、販売台数も過去最高を記録したため、この政府の措置で販売台数への影響は避けられないと懸念を示している。