ニッケイ新聞 2013年12月24日
写真=ソウザ氏(中央)とその左が妻の竹田恵子アリッセさん
外国人叙勲「旭日小綬章」を受けたブラジルで最も有名な漫画家マウリシオ・デ・ソウザ氏(78)の叙勲伝達式が17日、サンパウロ市内の総領事公邸で行われ、来賓には日系4団体ほかに赤間学院、大志万学院、平成学院、アルモニア学園の4校の小学生らも駆けつけ、家族と共に賑やかに約50人が受章を祝った。
ソウザ氏は、ブラジルにおける日本文化の紹介及び対日理解の促進に寄与したことで選出された。
同氏の著作は当地の漫画雑誌売り上げの86%を占めており、有名漫画家だ。福嶌教輝総領事は米国のニューズ・ウィーク紙で同氏が〃ブラジルのディズニー〃と称えられた逸話を交え、同氏の経歴を紹介した。
ソウザ氏は少年時代を日系人が多いサンパウロ州モジ・ダス・クルーゼス市で育ち、当時の友人の半分は日系人で、日本人と日本文化を身近に感じていた。一般社会に溶け込む日系人に尊敬と愛情をもち、漫画の中にも「ヒロ」や「ミチコ」などの日系人キャラクターを登場させてきた。08年の移民百周年では、オフィシャルマスコットの「チカラ」と「ケイカ」を日系二世のアリセ夫人と合作でデザインした。
漫画界の巨匠、手塚治虫氏と生前に交わした約束のとおり、ジャングル大帝レオなどの手塚キャラクターを『モニカ』に登場させ、平和を求めてアマゾンで戦う作品も最近発表したばかり。「漫画ファンや、手塚漫画を見て育ったという人たちから懐かしがられ、反響があったため近い将来に再度やりたい」と本紙インタビューに応えた。
ソウザ氏は、共に制作に携わる多くの日系人を含むスタッフに感謝の意を表し、過去にオラシオやビドゥのキャラクターが日本で紹介されたことをふりかえり、再度日本で作品を発表する予定があると明かした。今年は「モニカ」誕生50周年であり、記念すべき年に華が添えられることとなった。