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日本進出企業が史上最高に=ブラジル日本商工会議所 藤井晋介会頭

新年号

ニッケイ新聞 2014年1月1日

 明けましておめでとうございます。新年の門出に当たり謹んでご挨拶を申し上げます。

先ず、昨年中はブラジル日本商工会議所の活動に対する温かいご支援とご協力を頂き、誠に有難うございました。お陰様で、当商工会議所の会員数は354社、11月には日本進出企業が史上最高の215社に達し、日本企業のブラジルでのビジネス活動は年々活発になってきています。

数字を挙げれば、日本の対ブラジル輸出は過去10年間で約2倍、輸入は約3倍、対ブラジル累積投資額は約10倍に拡大しました。日本企業の進出分野は資源関係のみならず「自動車」「家電」「金融」「インフラ」「食品」など様々な分野に広がっています。

日本企業のブラジル進出にとって大きな礎となるのが当地日系社会および日系人の方々のプレゼンスです。昨年は移民105周年にあたり、また、戦後移住60周年の記念式典も開催されました。10県以上の県人会が周年事業を行い、私も日本から来伯された県関係者や地域経済団体の方々にお会いする機会が多数ありました。昨年は、日本と当地日系社会との結び付きが一層強化された年であったと思います。

日伯両国間関係も、昨年確実に一歩前進しました。大規模抗議デモの影響で、6月末に予定されていた大統領訪日が直前にキャンセルされた際は大変残念に思いましたが、その後、9月のG20サミットにおいてジルマ大統領と安倍首相の首脳会談が実現し、安倍首相からは、日本とブラジルは基本的価値を共有するパートナーであり歴史と伝統に培われた特別な信頼関係を今後も大切にしたい、との発言がありました。これに対して、ジルマ大統領からは日本企業の対ブラジル投資への高い評価と一層の期待が示されたことは記憶に新しいところです。

首脳会談の直前には、日伯両国の経済界の主要なリーダーから構成される「日伯戦略的経済パートナーシップ賢人会議」が4年振りに開催され、ジルマ大統領と安倍首相に夫々結果が直接報告され、両国経済関係強化に関する提言が行われました。昨年は政治・経済の両面において、より力強い日伯パートナーシップを構築して行こうという機運が生まれた年でした。今後、日伯経済合同委員会や日伯貿易投資促進産業協力合同委員会といった二国間会合を通じて、或いは、首相来伯や大統領の訪日が実現し、この機運がより高まっていくことを期待しています。

ブラジルは、昨年の大規模抗議デモに象徴されるように転換期を迎えています。今年の大統領選挙を通じて、世論が提起した教育や医療改革、インフラ投資といった重要な問題が真剣に議論されることでしょう。よく言われるように変化はチャンスでもあります。この転換期において日本からの投資・技術・アイデアがブラジルの諸課題の解決に繋がるよう、当会議所としても、日本企業の進出・当地での活動拡大を今まで以上に後押ししていく所存です。

最後に、皆様が、健康で明るく希望に満ちた一年を送ることができますよう祈念して、私の年頭の挨拶と致します。