商工開発省が2日に2013年の貿易収支は過去13年間で最低の25億6100万ドルの黒字で終わったと発表したと3日付伯字紙が報じた。13年は11月まで赤字が続いていたが、12月が26億ドルの黒字となった事でやっと累積黒字の計上と相成った。
13年の貿易収支(輸出額引く輸入額)黒字額が25億6100万ドルで終わったのは、輸入総額が1993年の統計開始以来最大で前年比6・5%増の2396億ドルに達した事が最大の原因で、0・1%減となった輸出額との差は前年比87%という大幅な減少となった。
輸入額が大幅に伸びたのは、2012年の原油やその派生品の輸入(総額45億ドル)分を13年の収支に計上した事も原因で、1月の貿易収支は40億4千万ドルの赤字でスタート。輸出が振るわぬ一方で輸入増という状態はその後も続き、上半期は1、2、4月、下半期も7、10月に赤字を計上、累積収支は11月まで赤字だった。
この状況が変わったのは、12月に26億5千万ドルの黒字が計上されたためだが、実はこの黒字は、実際には国外に運び出されていない石油採掘用のプラットホーム7基、計77億4千万ドル分を加算した結果、生じたものだ。
実際に輸出されていない製品の計上は、国産のプラットホームを国外の石油採掘企業に売却し、即座に国内での作業のために貸し出すという架空販売の形を採用したためだ。この方法は石油会社の税負担を軽減させ、ブラジルにも輸出額増額というメリットを生む。プラットホーム7基で77億ドルという額は、過去最高だった2008年と12年の15億ドルを大幅に上回っている。
だが、最終的な貿易収支が黒字となったとはいえ、輸出は2年連続で2420億ドルに止まっており、コモディティ価格の低下や為替変動が見込まれる2014年の貿易も楽観視出来ない。
例えば、輸出額1位の中国には前年比10・8%増の460億ドルを輸出したが、同国の経済活動減速や鉄鋼業界が在庫増となっている事を考えると、今年の輸出が爆発的に伸びるとは考え難い。同国の輸入に占めるブラジル製品の比率は12年に2・92%、13年に2・81%減っている。輸出額2位の米国は購入額が8・2%減り、輸入に占めるブラジル製品の比率も12年に1・45%、13年も1・24%縮小。欧州連合(EU)との自由貿易協定が成立すれば、ブラジル製品を売り込む可能性は更に狭まる。
ドイツでは輸入に占めるブラジル製品の比率は12年に0・58%、13年も0・39%縮小、アルゼンチンでも13年は0・1%縮小した。同様の現象は日本で見られ、12年が1・54%、13年が1・20%縮小と報告されている。
ブラジル製品の購入額減少のみなら世界経済の悪化が原因といえるが、ブラジル製品の占める比率低下はブラジルの競争力低下ともいえ、新製品開発や生産性向上への投資を怠ったツケが回ってきたと言えそうだ。12月28日付エスタード紙は、ブラジル経済を4%成長させるには生産性の3%向上が必要との記事も掲載している。