レバノン=ブラジル人少女が車爆発の犠牲に=継母も含め計5人が死亡=レバノン内戦によるテロか
レバノンのベイルートで2日、車に仕掛けた爆弾が爆発して死傷者が出る事件が起き、ブラジル出身の17歳の少女も犠牲になった。3日付伯字紙が報じている。
事件が起きたのは首都ベイルートのハレト・フレイク地区で、爆発した車の中には30キロ相当の爆弾が仕掛けられていたと見られている。
この爆発ではこれまでに5人が死亡したが、その中のひとりにブラジル人のマラク・ザーウェさん(17)が含まれていた。マラクさんは現場の近くに住んでおり、継母のイマン・モハメド・ヒジャジさんと衣服や食料を買いに出かけ、継母共々被害に遭った。また、爆発の余波で周辺にあった車や建物も被害を受け、計66人(一部報道では75人)の重軽傷者も出た。
マラクさんはパラナ州フォス・ド・イグアスのレバノン移民集団地で生まれ、13歳のとき、ブラジル人の父親と3人の兄弟と共に一家でレバノンに転居した。離婚した実母もレバノンで生活している。親族によると、マラクさんは、将来はブラジルに戻って生活する計画を立てていたという。
事故現場は、イスラム教シーア派の過激武装集団ヒズボラが実効支配している地域で、自爆テロ実行犯とみられる遺体も発見されている。ヒズボラはこの爆発の起こる約1週間前の12月27日、同じくベイルートで車の爆発事故を起こし、対立関係にあるイスラム教スンニ派のモハメド・チャター財務相ら7人を殺害、50人に重軽傷を負わせていた。
今回の事件の証言者であるロイターのカメラマンは、爆発直後に現場に動員されたヒズボラの戦闘員は、次に起こりうる爆発を恐れ、現場付近の人を解散させるために空に向けて空砲を発したと語っていることから、反ヒズボラによる報復の可能性が強い。
ヒズボラは同じシーア派のシリアに協力的な組織として知られ、レバノン侵攻後のシリア軍が2005年に撤退した後も同国のアサド政権と強い結びつきを保っている。近年のシリア内戦では、アサド政権による反体制派弾圧に協力したとも見られている。
ブラジル政府はこの事件に対し、マラクさんの名前を出さない形で「レバノンが政治的に安定するよう強く支持する」と書面で声明を出した。
マラクさんの親族や友人たちは2日の夕方、マラクさんやその他の犠牲者を追悼するときをもった。マラクさんの遺体はベイルートから3時間の郊外の町マジダル・シリムに埋葬されるという。