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州知事がUSP新学長任命=医学部教授のザーゴ氏選出

ニッケイ新聞 2014年1月4日

ジェラルド・アルキミンサンパウロ州知事は12月26日、サンパウロ総合大学(USP)新学長に学内選挙でトップだったマルコ・アントニオ・ザーゴ医学部教授(67)を任命した。同27日付エスタード紙が新学長へのインタビューを掲載した。

新学長の任期は4年。ジョアン・グランジーノ・ローダス学長は今月25日を以って任期を終える。知事は新学長任命後、USPに対し、公共政策策定への一層の協力と社会への目に見える融合への期待を表明した。

ザーゴ氏は現理事会の一員だったが、2カ月前に始まった選挙では体制反対派とみられていた。現学長が推したヴァンデルレイ・メシアス・ダ・コスタ氏は学内選挙3位に終わった。学内選挙で1位ではなかった人物任命の場合、教授や学生が抗議行動を起こす恐れもあったが、ザーゴ氏の学内外での人気の高さが知事の任命判断に影響したとみられている。同氏の対話を重んじる姿勢や調査機関にも通じていることも選任の理由だ。

「新学長としての主な課題は」との質問には「学内各機関の連携、大学としてのまとまりを強めること」と答え、特に学部の教育の質向上を挙げた。黒人などへの特別枠政策には「賛同」と答え、「目標の達成状況を精査し、結果によっては見直しを行う必要も出てくる」と話した。USPでは2018年までに定員の半数を公立学校出身者、その35%は黒人、パルド、インディオの学生に充てるとの目標達成のため、昨年から入試規定を変更している。

「世界の学術界における戦略は」との質問には「USPはその規模、研究分野の幅広さなどで既に国際的に認められているが、補強すべきことはまだある」と答え、教育の質を精査するための卒業生の進路情報を集めるプログラム創設、ラ米やアフリカ諸国の学生や研究者の受け入れ強化の意向を表明した。

学長選にも立候補したジョゼ・ロベルト・カルドーゾ工学部長は、同氏就任で「根本的に変わる。彼は現学長よりもアベルト」と発言しており、大学教員協会のフランシスコ・ミラグリア事務局長は「就任初年度は予算問題が優先事項となるはず」とみている。

現在のUSPの予算は年間約43億レで、エスタード紙は11月に、USPではその予算の100%が給与などの人件費に消えていると報じた。