サンパウロ州内を走る高速道路のアイルトン・セナ/カルヴァーリョ・ピントに、国内外のメーカー120社の品を安く売るアウトレットが建設される事になった。
現在ブラジルにあるアウトレットは6カ所のみだが、2015年までに開業予定のアウトレットは8軒。今回発表されたアウトレットは、アイルトン・セナの管理運営権を持つエコ・ロドヴィアスとBraxグループが1億レアルを投じて建設するもので、3万6千平米の土地に貸し出し面積2万3千平米の店舗を建設し、120社を招致する予定だという。
エコ・ロドヴィアスによるアウトレット建設は3年前に決まり、グアラレマ市に近いカルヴァーリョ・ピント67キロ地点に建設予定地を購入。店の管理と運営は同社傘下のエコピスタスが担当する。
アウトレット建設計画は、グループが管理する高速道路沿いで新しい事業を行う事で高速道路の利用者が増え、副収入も生まれるという発想で生まれたもので、土地の購入と共に、プロジェクトに賛同する共同事業者探しが進められた。
Braxは陸運専門のグループで、高速道路のインフラ管理と高速道路の利用者の需要に応えるサービス提供の大変さを熟知した上で、運輸と関連した分野への投資に関心を持ち始めていた。昨年からはガソリンスタンドの経営にも参加しており、現在は1店舗のみのガソリンスタンドを、将来は10店舗に拡大する予定だ。
アバウト社の共同経営者であるアンドレ・コスタ氏によると、高速道路の運営管理を担当する会社がアウトレットに手を染めるケースはブラジルでは初めて。だが、利用者の関心を呼ぶような企画への投資は当然とも言うべき傾向で、「ショッピングは高速道路の利用者増にも繋がるから、管理会社には2重の意味の儲けが出る」という。
アイルトン・セナ/カルヴァーリョ・ピント道はサンパウロ市とカンポス・ド・ジョルドン市を結ぶ道路で、2013年に利用した車の数は6400万台。トラックより乗用車が多く、コスタ氏も、アウトレットは一般客が途中で一息入れるための場所になる可能性が高いと判断している。
新しいアウトレットの名前は未定だが、A、Bクラス向けでかつブラジル国内ではある程度の量が出回っているメーカーの商品を扱う予定だ。現時点では、アジダスやラコステ、エルス、ヒューゴ・ボス、カルバンクレインといったメーカーへの具体的な働きかけが始まっているという。
市街地のショッピングに出店する場合は家賃が売り上げの30%を占めるが、アウトレットの家賃は売り上げの8%程度と見られ、マージンはより大きい。国外から進出して来るメーカーは、ショッピング以外のオプションとしてのアウトレットに十分な期待と関心を示しているようだ。(3日付エスタード紙より)