ギド・マンテガ財務相が3日に会見を開き、13年度のプライマリー収支(基礎収支)黒字は、連邦政府目標だった730億レアルを上回る750億レアルだったと発表した。例年なら1月下旬に行なわれるプライマリー収支の黒字目標達成との発表を政府が大幅に早めたのは、市場に流れている悲観的な見方を和らげる目的があったと思われる。4日付伯字紙が報じている。
マンテガ財務相は「経済評論家が、13年度は連邦政府のプライマリー収支の目標を達成できないと言っていたので、そんな悲観的な空気を1月いっぱいまで引っ張りたくなかった。新年を良い知らせと共にはじめたい」と語り、例年より発表を早めたいきさつを説明した。ブラジルは現在、国際的な経済市場での信用格付けが落とされる危険性にも直面している。
マンテガ財務相の発表によると、13年度は750億レアルのプライマリー収支黒字となった。この額は国内総生産(GDP)の1・5%の額に相当する。
マンテガ財務相は、この額が目標達成のための帳尻合わせを行なって出て来た額ではないことを、改めて強調した。12年度は「GDP2%」の目標で880億レアルの黒字収支だったが、目標達成のために強引に含まれた額などもあり、信用を失っていた。
ただ、今年の場合も、12月に入って、リブラ油田の落札で得た150億レアルと、滞納税回収計画(Refis)で206億レアルが入ってきての黒字であり、その分がなければGDPの0・74%分の黒字しかなかった。
また、今回目標は達成できたものの、プライマリー収支のGDP比率は1・2%に終わり、国際的な経済危機発生直後の2009年に次ぐ、過去10年で2番目に低い数字となる。
連邦政府と州や市のプライマリー収支を合計した公的部門収支に関しては、目標の達成がほぼ絶望視されている。公的部門の黒字目標はGDPの2・3%に相当する1110億レアルだが、州と市の11月時点までの収支は合計203億レアルの黒字でしかない。
この結果を受けて、マウアー・セクラール・インヴェスチメントスの主任エコノミストのアレッサンドロ・デル・ドラゴ氏は、悪い結果ではないが、この数字だけでは、世界の経済市場にブラジルの格付け降格を思いとどまらせるには十分でなく、「全てのデータが出るのを待たなければならない」と語った。州や市、ペトロブラスをはじめとする国営企業の収支結果が発表されるのは1月の後半だ。
また、マンテガ財務相はこの日の会見で、14年度に関するプライマリー収支の黒字目標設定を行なうことを避けた。2014年の連邦政府による予算案だと、GDPの1・1%を想定したものとなっている。