ニッケイ新聞 2014年1月9日
ルノー・日産はリオ州レゼンデ市に新車両工場を建設中だが、同社のカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)は6日、同じ敷地内に隣接する形でエンジン工場を建設すると発表した。投資額は1億4千レで、今年前半に落成の見込み。7日付エスタード紙などが報じた。
新工場で生産するエンジンは新しい車両工場で生産するコンパクトカー「マーチ」「ヴァーサ」に使用するもので、フレックス燃料対応、直列4気筒で排気量は1・6L。1年目で生産車の50%以上に国産化エンジンを搭載したいという。
新車両工場には年間20万台の生産能力を持たせ、200人の雇用を見込む。エンジン工場とあわせた投資金額は26億レに及ぶ。6日に建設現場を初めて視察したゴーン氏は記者団に、「(工場建設は)ブラジル国内でのシェア5%超えに向けた戦略の一環」と強調した。
日産の車としては、ピックアップトラック「フロンティア」、コンパクトカー「リヴィナ」がルノーの工場で生産されている。昨年のブラジル内の販売台数は8万台で、そのうちの5万台はメキシコからの輸入車だ。
日産の国内シェアは2%だが、新工場設立で、2016年までに5%に高めたいという。ルノー・日産社としては、数年以内に国内の市場占有率10%を達成するとの目標を掲げている。
ゴーン社長によれば、メキシコからの輸入はブラジル国内での生産を補う目的のあくまで「一時的」な措置で、「競争力強化のためには国内生産は不可欠」との見方を示した。
レゼンデ市に建設する車両、エンジン工場を合わせた新規雇用は2千人以上となる予定で、そのうち1500人が既に労働契約を結んでいる。