この夏は猛暑続きで、海や湖で水浴を楽しむ人が引きも切らない。ホテル業界などは大歓迎の猛暑だが、電力業界では年間を通じた電力供給も含めた懸念が広がっていると7日付エスタード紙が報じた。
4日午後37度を記録したミナス州カピトリオに宿泊施設を持つエヴァンドロ・オリヴェイラ氏は猛暑歓迎派で、「年越しの時から降っていないから湖の水位は低くなっているけど、モーターボートで一周りするのには支障ないし、この方が雨よりずっと良い」と笑顔をこぼす。
一方、雨を司るとされる聖(サン)ペドロが、ミナス州内にあるフルナス、リオ・グランデといったダムや、パラナイバ川、サンフランシスコ川の流域だけでも雨を降らせてくれるよう願っているのは電力業界関係者だ。エンボルカソン、ソブラジーニョ、トレス・マリアスなどの水力発電用も含めたダムや川は、ブラジルのエネルギーの70%を占める水力発電を支える〃ブラジルの水甕〃だ。
ところが、13年から14年にかけての貯水ダムの水位は、南東伯で43%、北東伯も35%と振るわない。12月に降雨が見られ、南東伯で29%など、全国的に低水位だった12年から13年にかけてよりは改善されたが、雨が多くなる夏の時期に期待される50~60%という水位とは程遠い。ここ数カ月の降雨量も余り多くはないとの予想が出ている。
これらの数字や雨の予想は、今年も昨年並みの火力発電やより高額な自由市場からの電力購入が必要な事を意味する。
13年中の電力供給会社は、10月までで130億レアルというかつてない額の政府支援を必要としたが、大統領の電力値下げ宣言もあり、経費増額分の電気料金への上乗せが制限された。
今年も昨年並みの政府支援が必要となるか否かは今後の雨次第で、関係者は冷や汗を流しつつ、3月末までに朗報が届く事を待ち望んでいる。
猛暑で海や湖が大混雑=電力業界では懸念広がる
ニッケイ新聞 2014年1月10日