中央銀行の8日の発表によれば、2013年の外貨流出額は流入額を122億6千万ドル上回り、2002年以降で最大規模の流出超過となった。外貨流出超はリーマンショックが起きた08年以来だが、昨年は、同年の9億8300万ドルを大幅に上回る流出額となった。9日付エスタード紙などが報じた。
昨年のドル貨はレアルに対して15%上昇し、中銀はレアル安を阻止するための為替市場介入に乗り出した。中銀が様々な方法で市場に投じたドル貨は約1000億ドルに及んだ。
13年の流出超過につながった主な要因は、外国直接投資や金融派生品取引などを含む投資収支が233億9600万ドルの流出超に転じたことだ。一方、貿易収支は同年、111億3600万ドルの流入超にとどまった。すなわち、輸出が振るわず国外からの投資が減少する一方、輸入や外国旅行が増加したことが背景にある。
トレヴィーゾ・コレトーラのレイナルド・ガリャルド外為課長は、「今年はよりドル流出が進む」と見ている。この考えは、昨年12月に米国の連邦制度準備理事会(FRB)が今年から量的緩和を縮小すると発表したことを受けたもので、同氏は「アメリカの金融政策変更で、ブラジルにとどまらず新興国全体からドルが流出すると我々は理解している」と話す。
「連邦政府の目標値である1ドル=2・30~2・35レの維持を支持するような、好ましいニュースは入ってきていない」と同氏は言う。中銀のフォーカスレポートに協力した銀行やコンサルタントによれば、市場では2014年の為替は1ドル=2・45レと予想されている。
13年の場合、外貨流出が流入を上回った月は8回あった。12月は88億ドルの流出で、1982年の統計開始以来、12月としては最悪の記録となった。月間記録全体を見た場合でも、189億ドルの流出超過だった98年9月以来の流出月となっている。
ただし、金融市場関係者の予想とは異なり、2014年の外貨流出額は縮小するというのが政府の経済担当アナリストらの見方だ。
その根拠は二つあり、ブラジル企業による国外での資金調達が活発になるという見方がその一つだ。昨年は世界経済の不透明性を前に、ブラジル企業が経済活動を控える傾向にあったが、今年はそのような流れが変わると予想されている。
もう一つは経済基本金利(Selic)で、13年4月は7・5%だった基本金利が現在は10%に引き上げられているために、外国人投資家による国債の購入が増えると政府関係者は見込んでいる。