12月の月間インフレ率が過去10年間で最高だったことで、2013年の年間インフレ率は5・91%となり、4年連続で政府目標の4・5%を上回った。これを受け、中央銀行による14年の経済基本金利(Selic)は13年に引き続いて上昇傾向にならざるを得なくなっている。11日付伯字紙が報じている。
昨年12月の広範囲消費者物価指数(IPCA)は0・92%となったが、この数字は12月としては2・10%を記録した2002年12月以来、それ以外の月でみても03年4月に記録した0・97%以来、10年8カ月ぶりの高い数値となった。今回高いインフレ率を記録することとなったのは、ガソリンが4・04%、航空券が20・13%の値上げを記録し、それぞれ0・15%、0・12%のIPCA上昇につながったことが響いた。
これが加わったことで13年の年間インフレ率は5・91%となり、12年の5・84%を上回った。この数字は、政府の定めるインフレ目標の上限である6・50%こそ下回ったものの、政府が本来目標としている4・50%を4年連続で上回る結果となった。
また、昨年1年間を通して見た場合、もっともインフレ率が高かったのは「家賃」の12・01%で、「家庭内労働者」(11・26%)、「食料品」(10・49%)が続いた。
政府は電気代を15・66%引き下げ、さらに6月の全国規模でのマニフェスタソンでの国民の声に答えるために公共交通料金の値上げも、13年にはほとんど行なわなかった。その結果、国、州、市による公的な値上げはわずか1・55%しか記録していなかった。
投資信託企業オープスの経済学者ジョゼ・マルシオ・カマルゴ氏は、もし政府によるインフレ抑制が働いていなければ、インフレ率は目標上限を超える6・71%になっていたと分析する。
しかし、今回のインフレ率発表は、政府や中銀を驚かせる結果となった。7・25%まで下がっていた基本金利を10%まで上げることで、「インフレを慎重にコントロールしている」と認識していたからだ。この10%を天井として、0・25%下げることすら検討されていた。だが12月の高インフレ率を受け、14~15日に行われる通貨政策委員会(Copom)では、13年からの路線通り0・50%ほどの基本金利上昇が予想されている。
2014年は選挙年でインフレになりやすい年であることに加え、抑えていた電気代も1・6%の値上げが予想されることなどから、経済学者の中には現時点で、「2014年の年間インフレ率は5・90~6・00%」との厳しい予想をしている者もいる。