サッカーの世界最優秀選手を選ぶFIFAバロンドール(ポ語「Bola de Ouro」黄金のボール賞)の授賞式が13日にスイスのチューリッヒで行なわれ、ペレが特別功労賞を受賞し、スピーチで感涙にむせぶ場面も見られた。14日付伯字紙が報じた。
13年度のバロンドールが発表される前、ペレの特別功労賞が発表された。FIFAはペレを紹介する際、「FIFAは大きな過ちをおかしてきた。今回それを訂正したいと思う」と特別表彰の理由を説明した。それはバロンドールが、全世界の選手を対象としはじめたのが1990年代以降で、ペレの活躍した50~70年代には南米の選手には与えられなかったからだ。
こうした紹介を受けペレは壇上に立った。昨年受けたでん部の手術の影響もあり、足元がふらつき気味だったペレは、演説の途中、感極まって泣きはじめた。
「家族には泣かないと約束してきたんだが」と語ったペレは「現役時代、いろんな賞はもらってきたが、バロンドールだけは取れなかった。欧州の選手の受賞者がうらやましかった」と心情を吐露した。そして「この賞を、私と一緒にプレーした選手に捧げたい」と話した。
一方バロンドールは、接戦の末、クリスチアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)が、リオネル・メッシ(バルセロナ)の5年連続での受賞を阻止し、5年ぶり2度目の受賞を決めた。メッシの連続受賞期間中2位に甘んじてきていたクリスチアーノは久々の受賞に壇上で涙した。
今回の授賞式でブラジルの現役選手の受賞はなかったが、ネイマール(バルセロナ)はバロンドールの投票でクリスチアーノ、メッシ、フランク・リベリ(バイエルン・ミュンヘン)、ズラタン・イブラヒモビッチ(PSG)に次ぐ5位だった。
また昨年12月のW杯抽選会の司会で注目を集めたフェルナンダ・リマが、その好評に応える形で今回の授賞式でも司会をつとめた。
FIFAバロンドール=ペレが特別功労賞受賞=現役時代の雪辱に感涙も
ニッケイ新聞 2014年1月15日