若手サッカー選手のプロへの登竜門『コパ・サンパウロ』の決勝トーナメント一回戦が14日から各地で行われ、外国勢として大会史上初の勝ち抜き戦進出を果たした柏レイソルは、強豪のサントスFCと敵地ビラ・ベルミーロスタジアムで対戦。サントスサポーターで埋め尽くされる敵陣戦の会場の中、0対4の完敗を喫した。下平隆宏監督は「完全に力の差。ゴール前での精度が全く違う」と認め、「中盤まではボールをもってやれるが、向こう(サントス側)は『最後の所でやられなければいいよ』という感じ。そこを突き破る何かを、こちらは身につけなければ」との反省をのべた。
開始直前の突発的な豪雨により、スタジアムの電灯の一部が停電したまま始まった試合は、早々から動いた。サントスは右サイドを突破する素早いカウンターから得たコーナーキックを、FWステファーノ・ユリが頭で叩き込み、柏は開始3分で先制点を許した。
柏は細かくパスを繋いで試合の主導権を握ろうとし、サントスより長い時間ボールを保持しながらも、ゴール前をしっかり固めるサントスDFを崩しきれず、ボール支配率に見合うだけの決定機を作れない。対照的にサントスは、前半37分にセットプレーから追加点を決め、2点を先行して前半を折り返す。後半にも個人技が光る2得点で大差がつき、柏の約2週間に及ぶ挑戦はベスト32という結果で終わりを迎えた。
試合終了後、柏主将の中谷進之介選手は、「ミドル一本でシュートを決めてくるなど相手との精度の差は感じたが、一口に負けた原因を〃決定力の差〃とは言いたくない。一番の敗因は自分たちのサッカーの良さを出し切れなかったこと」と悔しさを滲ませていた。
下平監督は「選手らが今日経験したことをしっかり活かして真剣に練習を重ねれば、数年後にはきっとサントスの選手にも追いついて逆転も出来る」と述べた。この中から4年後のW杯という〃本番〃で活躍する日本代表が生まれることに期待をよせたようだった。