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基本金利=0・50%上昇し10・50%へ=ジウマ政権の振り出しに戻る=年末の高率インフレ受け=2月にさらに上がるとも

ニッケイ新聞 2014年1月17日

中央銀行の通貨政策委員会(Copom)は15日、経済基本金利(Selic)を0・50%引き上げ、10・50%とした。13日に発表されたインフレ率の高さを受けての判断と見られており、企業筋からの批判を押しのけた7回連続の上昇であり、中銀がインフレ鎮圧に本気であることを示したようだ。16日付伯字紙が報じた。

ジウマ大統領の就任当時の基本金利は、現在のものとほぼ近い10・75%であった。基本金利は一般に、低いほど経済が安定して企業が拡大しやすい環境であり、高いほどインフレなどの不安定要因が強く経済発展が難しい状況だと判断される傾向がある。基本金利を基準にして市中金利が変動するため、それが上がれば、投資にも消費にも不利な環境となる。

リオ五輪やW杯に伴う大規模公共投資などによって経済成長を進めて基本金利を7・25%まで押し下げた実績を旗印にして来たジウマ政権にとって、〃振り出しに戻った〃のが今回の0・50%上昇といえる。

昨年末まで中銀は、1月の基本金利の上昇幅は「0・25%になる」との見通しを語っていた。中銀としては、昨年4月以来、6度にわたって上げてきた流れを、1月に0・25%上げたところで止めてもいいと考えているとの憶測も流れていた。

だが14日付本紙でも報じたように、13年12月の広範囲消費者物価指数(IPCA)が過去10年で最高となる0・92%の上昇を記録した。これに押し上げられる形で、年間インフレ率が一昨年の5・84%から、2013年度の5・91%へと上昇した。13年は7・25%まで落ちていた基本金利を10%にまで高めるなど、インフレ抑制を徹底したつもりでいた連邦政府や中銀は、このインフレ率上昇に驚いた。

中銀は今回、声明で「2013年4月から引き続き、Copomは基本金利を今回は0・50%あげることにした」という書き方をした。この「今回は」という表現は前回11月の発表の際には行なわれていなかったことから、経済界はこの表現を「次回2月でさらなる引上げがあるという意味では」と解釈している。

今回の基本金利上昇に関し、エスタード紙は、ジウマ政権にとっては来週からスイスのジュネーブではじまる国際経済会議、「ダボス会議」に向けては良かったのではないか、と判断している。今回の同会議では「新興国にかかった経済成長のブレーキ」も主要議題のひとつとなっており、中でもブラジルは「経済成長における〃更年期障害〃」との評価を受けており、ジウマ大統領がどういう発言を行なうかに注目している。