ニッケイ新聞 2014年1月18日
本面トップで紹介した、ナタル日本人会のW杯に向けた準備活動。現地に根を張る日系人らの長所を生かす、素晴らしい取り組みだ。
始動のきっかけの一つには、同地日本語学校の学生に学んだことを生かす機会を与えたい、という動機も。本文中にある市観光局内への研修生の配置は、まさにその意向に沿ったものだ。
日本等の旅行代理店からの問い合わせも多く、「彼らに通訳の協力を」との要請もあるというが、会側が「少しでも報酬が発生すれば、学生の意欲や意識は高まる」と期待するのに対し、「地元なんだからタダでやってね」という意識が透けてみえる日本企業は多いよう。
学生を含め日本人会は非営利の団体だが、この活動によって一方的な負担を強いられるのは不健全だ。会の恩恵を受ける側は誠意を持って彼らに接し、互恵関係での実現を目指して欲しい。(酒)