ニッケイ新聞 2014年1月21日
世界各国の中銀の調べによれば、世界54カ国の中で、ブラジル都市部の不動産の平均価格は過去5年で121・6%上がり、トップの上昇率を記録したが、過去6カ月の評価では4・6%で22位に急落したと18日付エスタード紙が報じた。
08年以降、国際決済銀行(BIS)のコーディネートで米国をはじめ世界の50カ国以上で居住用不動産価格に関する調査が行われている。
それによればブラジル都市部は08年から2011年初めの間にかけ、不動産の年間評価は一貫して20%を超え、価格の高騰が続いた。ところがその後は15%近くまで下がり、昨年は9%台となった。
過去5年の評価では121・6%の上昇率で54カ国中トップだったのが、過去2年の評価では21・6%で10位に、過去12カ月の評価では7・1%で16位、過去6カ月では4・6%と22位に落ちた。
イギリスの大手不動産企業ナイト・フランク社で国際調査を行うリーアム・バレイ氏は「ブラジルの不動産市場は、失速する経済成長に準じた調整期間に入っている。この不動産業界の失速は、セクターの持続性を上げるためのポジティブな動きとみていい」と話す。
ただし、「ドバイやトルコなど、現在ではブラジルよりも不動産投資に魅力的な新興国や地域がある」と、中東をより高く評価する。同氏によればサンパウロ、リオなどインフラの整った都市部の不動産は依然として価値が高いものの、ブラジルについて同社に問い合わせる欧州の投資家は数少ないという。
ちなみに、過去12カ月、6カ月の評価ではデンマークが首位となっている。