本日23日からスイスで開催される恒例の「世界経済フォーラム」(通称ダボス会議)にジウマ大統領がはじめて出席する。それに先立って多国籍企業を対象にしたアンケートが21日に発表され、その結果、ブラジル経済の国際的な期待度が落ちてきていることがわかった。22日付フォーリャ紙が報じている。
同フォーラムには約2500人の選ばれた知識人やジャーナリスト、多国籍企業経営者や国際的な政治指導者などが出席し、世界経済界のトップリーダーが一堂に会する場といわれる。ジウマ大統領が同会議で、世界経済界から持たれている不信感の挽回を期すために、どんな演説をするかに注目が集まっている。
同アンケートは、プライスウォーターハウス・クーパーズ社が、多国籍企業のCEOを対象に毎年行なっているもの。13年の第4四半期の最新分が発表された。
同調査の「この国の経済成長に期待できるか」との問いで、ブラジルは12年第4四半期の調査ではロシア、インド、メキシコについで4番目に「期待できる」という答え(44%)だった。ところが最新調査では42%に下がり、順位もロシア、メキシコ、韓国、インド、中国、デンマークにつぐ7位に下落した。
期待感が落ちたのは新興国全般に言えることで、BRICS全ての国で数字が落ちている。同調査では、各国ごとに現在の問題点を挙げ、ブラジルに関しては「債務の多さ」が指摘されている。ただしブラジルの「期待できる」の42%という数字は、各国の平均値である39%を上回るものだ。同質問でアルゼンチンへの期待度はわずか10%しかなかった。
だが、「あなたの企業が成長するために必要な国を三つあげよ」という質問で、ブラジルは前回調査で15人のCEOから名前があがっていたのに、今回の調査では12人になった。この「3人減少」はインドと並ぶ。なお「重要な国」として数字を増やしたのは、米国(7人増で30人)、ドイツ(5人増で17人)、英国(3人増えて10人)などとなっている。
多国籍企業からブラジルの期待値が下がっている理由を、国際的なコンサルティング企業KPMGが昨年12月に実施した調査が明らかにした。この調査では、ブラジルでのビジネス展開に興味を持っている企業幹部430人に「ブラジルで投資を行なう際に障壁となるもの」を聞いている。1位が「税金が上昇し複雑化していること」(31%)、2位は「面倒な事務手続き」(17%)、以下「政治状況」(14%)、「規制の多さ」(13%)、「インフラの不備」(8%)と続く。
KPMGブラジル支部の共営者アウグスト・サレス氏によると、外国企業家からブラジルの政治状況について尋ねられることが最近増え、「大統領は再選されるのか」を主に知りたがっているという。同氏によれば、W杯や五輪に関してのブラジルに関する批判的なマスコミの論調がそうした不安を煽っているという。