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マラニョン=刑務所内でもう1人殺害=軍警導入でもおさまらず

ニッケイ新聞 2014年1月23日

 【既報関連】昨年から引き続く、内部抗争で死者続出のマラニョン州都サンルイスのペドリーニャス刑務所で21日、またも未決囚1人死亡が確認され、今年になって3人目、昨年からの合計で66人目の死亡者となった。22日付伯字紙が報じている。

 死亡が確認されたのはジョー・デ・ソウザ・ノジョーザ未決囚(21)だ。場所はペドリーニャスに八つある刑事施設の一つ、法務省管轄の拘置所(CCPJ)のD棟第7号室だった。同未決囚は昨年12月28日にサンルイスで逮捕され、1週間前からCCPJにいた。拘置所は、裁判所からの判決を待つ未決囚専用の刑事施設だ。

 ノジョーザ容疑者は首を吊られた状態で発見されたが、暴力を受けた痕があったことから、警察は自殺という仮説を捨て、他殺の線でこの事件についての取り調べを行なっている。遺体が発見されたD棟7号室には、他に7人の未決囚がいた。

 マラニョン州政府によると、20日にこの事件の引き金になるようなことが起きていた。それはペドリーニャスの施設内に収監されていた9人の囚人が、南マット・グロッソ州カンポ・グランデの別施設に移送されたことだった。それに反抗した囚人グループが、刑務所に対する報復行為で行なったのではないかと見られている。

 関係者によると、CCPJでは17日にも2人のリーダー格の未決囚が、軍警と国家公安警察(Forca Nacional)が立ち会うことになった刑務所の管理体制に不満を抱き、反乱を起こそうとしていたという。

 CCPJは定員165人のところに300人の未決囚を押し込むなど、環境面も問題視されている。21日、国連の人権理事会は、人権擁護の監視が必要な項目のひとつに、ブラジルの刑務所システムが重要事項として入っていることを発表した。その報告では定員超過の収監に加え、軍政時代以来の拷問などの問題も挙げられている。