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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2014年1月23日

 いままでなかったのが不思議だが、観光雑誌『るるぶ』のブラジル・アルゼンチン版(JTBパブリッシング、税別1500円)が今月発行された。ブラジル編では、イグアスの滝、レンソンイス(マラニョン州)、アマゾンに詳しく触れ、リオとサンパウロ、サルバドールを素晴らしい写真とともに紹介している▼いままでのブラジルの本といえば、概略と乏しいホテル、レストラン情報などに限られていたように思う。それもデータが古く、あまりあてにならないといったイメージだ。サイトなどでも情報を知らせるものは少なく、ある旅行者からは「個人のブログなどに頼っている」とも聞いた▼『るるぶ』が頼もしいのは、旅行情報に加え、音楽、アート、ファッションなど、様々なブラジルを知ることができる構成となっていることだ。ブラジル在住者としても興味深い。軽い気持ちで手に取ったコラム子も「ふむふむ」と1時間ほど読み込んでしまった。多くの写真と情報は、にわかブラジル通になれるほどだ。カーニバルパレードも詳しく解説されている▼在住者に、もう一つ面白い点は、ブラジルのお土産についても詳しく触れられている点だ。「日本に行くんだけど、いつもお土産に困るんだよね…」という声もよく聞くが、日本の人が関心を持ちそうなものを紹介しているので、大いに参考になりそうだ▼今年のW杯、2016年の五輪と、日本からの観光客が携えることも多いだろう。移民や日系社会についてほぼ触れられていないのが少々残念だが、幅広くブラジルの文化に関心を持ってもらえる一冊となりそうだ。(剛)