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ジウマ=キューバへの追加支援発表=7億レ投資で関係強化へ=ブラジル企業へ進出呼びかけ=生まれ変わったマリエル港

ニッケイ新聞 2014年1月29日

ジウマ大統領は27日、ラテン・アメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)の会議出席のために訪れたキューバで、マリエル港改修落成式に出席、同国へ約7億レアルの追加経済支援を行なうことを発表し、友好関係をアピールした。さらに、米国がキューバに50年以上にわたり行なっている経済封鎖を批判した。28日付伯字紙が報じている。

ジウマ大統領はこの日、ブラジルが資金援助を行なっていた、マリエル港の改修落成式にラウル・カストロ国家評議会議長らと共に参列した。首都ハバナから西に45キロしか離れていない発展特別区にあり、しかも、米国に最も近い港として通商貿易において戦略的な拠点だと以前から言われていた。この改修で、中央アメリカ及びカリブ海地域の主要港として生まれ変わった。

1980年にキューバ政府は米国移住希望者を許可する政策を発表した時、この港から12万5千人ものキューバ人が泣く泣く海を渡り、マリエル版〃出エジプト記〃と呼ばれた歴史的な舞台になった場所だ。

このマリエル港改修工事にブラジルは、建設費9億5700万レアルの約84%にあたる8億2千万レアルの出資を社会経済開発銀行(BNDES)を通して行なっていた。建設もオーデルブレヒトが実施する。つまり、キューバに投資している形だが、施工会社はブラジル企業であり、還流する形での国際協力だ。

ジウマ大統領はラウル議長と会談し、さらに2億9千万米ドル(約7億レアル)の追加支援を行なうことを発表した。この支出は貿易協議所(Camex)で議案は通過しており、後は正式承認を待つのみだ。

マリエル港改修構想は、中国が70~80年代に経済技術開発地区に建設したタイプの港と似た発想によるもの。ブラジル内には現在キューバへの投資に関心を抱いている企業が400ほどあるとも言われており、その呼び水的役割を大統領が担おうとしている。

米国がキューバに対し1962年以来、輸入品と他国によるアメリカ製品のキューバへの再輸出を禁じた経済封鎖を、ジウマ大統領は改めて「不当なもの」と批判した。昨年11月にオバマ大統領は、対キューバ制裁措置を解除する構えだとの声明を出しており、同地にブラジル企業が進出して米国に輸出するなどの戦略的な拠点にする方向性が伺われそうだ。

今回のキューバ訪問により、マイス・メジコスによるキューバ人医師の派遣も今後強化されそうだ。今回のキューバ来訪にはアレッシャンドレ・パジーリャ保健相も帯同している。同保健相は、今週にも行なわれる「マイス・メジコス」の一環で来伯するキューバ医師2千人の、ブラジルへの派遣記念パーティにも参加するものと見られており、さらにキューバの製薬技術の提供に関する契約への調印も行なう予定だという。