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サンパウロ州での殺人が8・2%減=窃盗や強盗は7カ月連続増

ニッケイ新聞 2014年1月29日

 サンパウロ州での殺人事件の件数は昨年12月まで9カ月連続で減少し、2013年は前年比8・2%減で、10万人のうち10・5人という割合だったと28日付フォーリャ紙などが報じた。ただし、窃盗や強盗殺人は増加しており、市民の治安感情に悪影響を与えている。

 昨年1年で起きた殺人事件の犠牲者は州内で4439人、サンパウロ市内では1176人だった。サンパウロ市内の殺人件数は前年比14%減だった。殺人件数は州全域、サンパウロ市ともに03年から徐々に減りつつあり、08年頃からそれぞれ4千人台、1千人台でほぼ横ばいとなっている。

 ここ数年では2011年に最も減少し、10万人に10・1人という割合まで落ちたが、昨年は2010年と同じ水準となった。警官と犯罪者の間の抗争が激化した2012年は11・5人まで上がった。軍警死亡数は2012年の96人から昨年は74人に減った。

 一方、窃盗や強盗件数は7カ月連続で増えている。フォーリャ紙の調べによれば、特に車両の強盗が記録的に多いという。州内の窃盗件数は昨年12月に21%増え、昨年1年間では前年比で8%増え、1年で1万9100件も増えたことになる。しかも窃盗から殺人に発展したケースである「強盗殺人」は州で10・2%、市内も38・6%増えた。

 フェルナンド・グレーラ州保安局長は、「特に個人の財産に絡む犯罪が増えていることを懸念している」とコメントしている。