ニッケイ新聞 2014年1月29日
当地の日系人が日本で学ぶ奨学制度はいろいろ存在する。ところが、その逆はあまりない。
日本が日系外国人労働者を受け入れて20年以上が経ち、幼くして訪日した、または日本で生まれた人たちが成長し、両国の狭間で揺れ動く姿は紙面にも登場するようになった。
人生のほとんどを日本で育ったデカセギ子弟にとって、当地は未知の〃母国〃であり、もっとこの国のことを知るため、忘れてしまった言語を学びなおすため当地を訪れたいと思うのは自然だ。でも、それを後押しするところはまだ少ない。
CIATEが運営している昭栄奨学金はその数少ない奨学制度のひとつだ。当地で企業活動を行っていた日本企業の原資で運営されているという。両国の架け橋となる人材を求めるのは簡単だが、制度や機会なくして人材は育たない。(宮)