リオ市の主要幹線路であるリーニャ・アマレラ高速道で28日午前、荷台を上げたまま走行していたダンプカーが、同高速道の上を横切る歩道橋に荷台をぶつけ、その衝撃で連絡道そのものが落下し、歩行者および真下にいた車両乗客など計5人が死亡、4人が負傷する惨事となった。29日付伯字紙が報じている。
28日午前9時13分、リオ市北部のリーニャ・アマレラ高速道の一部、ゴヴェルナドール・カルロス・ラセルダ大通りを、ダンプカーが荷台を上げたまま通りかかった。これが同大通りの上、高さ4・5メートルの所を横切る形で設置してあった歩道橋に激突した。制限速度を超える85キロで直撃した衝撃で、長さ42メートル分にあたる、120トン相当の歩道橋本体がずれて高速道に落下した。
そこを走行中だったフィアット社製のパリオとGMコバルト社のタクシー、オートバイ1台を歩道橋が直撃した。パリオの運転手レナート・ペレイラ・ソアレス・ジュニオールさん(62)と、タクシー運転手のジャイロ・ゼナッティさん(44)の2人が即死。パリオの後部座席にいたルイス・ギマリャンエスさん(60)も29日午前6時頃、搬送先の病院で亡くなった。
事故の瞬間に歩道橋を渡っていたセーリア・マリアさん(64)とアドリアーノ・オリヴェイラさん(26)の2人も死亡した。アドリアーノさんは衝撃で、高速道中央に流れる川に落ちた。
4人が重軽傷を負ったが、その中には死亡したレナートさんの助手席にいた妻グラウシアさん(56)のほかに、事故を引き起こしたダンプカーの運転手ルイス・フェルナンド・コスタ氏(30)も含まれている。コスタ氏は病院に運ばれたが軽傷で28日のうちに退院もした。
リオ市警はコスタ氏を業務上過失致死の容疑で逮捕する意向だ。この事故には不可解な点が多い。同高速道をダンプカーが通行できる時間帯は午前10時からだが事故は午前9時13分に起きた点。また9時11分には高速道にあった防犯カメラには普通に走行するダンプカーが映し出されていたのに、2分後の事故の瞬間には荷台が上がっていた点だ。
市警はこの2点を中心に捜査している。コスタ氏は病院で警察の事情聴取に非公式に応じ「急いでいたから通った」「荷台が上がっているのに気付かなかった」と話している。運転手の証言どおりなら荷台傾斜装置が壊れていた可能性がある一方、通行不可時間帯の罰金を恐れてナンバープレートを監視カメラから読み取れないように荷台を故意に上げたとの疑いも持たれている。
事故発生時にすぐ近くを走行していたバス運転手は、「ダンプカーの運転手は携帯電話で話していたので、荷台が上がっていることに気付かなかったでのはないか」と証言している。
この事故の影響で、同高速道は通行止めになり、北西方面行きが午後4時30分、北東方面行きが午後6時27分に再開するまで混乱が続いた。