サンパウロ州知事選出馬を見据え、2月3日付で保健相を退任する予定のアレッシャンドレ・パジーリャ氏に30日、思わぬ報道が舞い込んだ。
同日付フォーリャ紙が、昨年12月に父が創設メンバーに入っている医療系の非政府団体「コイノニア」に19万9800レアルを支援する書類にサインしていたことが報じられ、パジーリャ氏は即日この契約を解約したと30、31日付伯字紙が報じている。
この団体は、青少年にエイズなどの伝染性の性病を予防するための啓蒙プログラムを実施している団体で、サンパウロ市、リオ、バイーア州サルヴァドールを拠点に活動を行っている。疑惑のひとつとしてフォーリャ紙があげているのは、この団体には三つの拠点があるにもかかわらず、パジーリャ紙が結んだ契約がサンパウロ市のみになっていたことだ。
また、この団体に支払われる19万9800レアルも保健省の予算に入っていたものではないという。
この団体は1998年以来、この他に九つの契約を省庁と結び、12月の契約時点でのそれまでの合計契約額が175万レアルに上っている。それは特にパジーリャ氏が連邦政府の要職に就任した年に顕著で、同氏が保健省内部の貧困者対策長に任命された2004年には、農業開発省と19万4600レアル、大統領府入りした09年9月からすぐ後の10年にはスポーツ省と40万レアルの契約を結んでいる。13年には法務省とも26万2100レアルの契約を交した。
この報道を受けパジーリャ氏は30日、「コイノニアとの契約は、保健省内の専門部署で正規の手続きで行なわれている」と語り、父アニヴァウド氏に関しても「09年からは同団体との金銭関係は切れている」と語った。
さらにパジーリャ氏は「既に20年も存在している団体を、私が起こしたことで政治的なもめごとに巻き込むには忍びないので、契約を解約することに決めた」と語った。
民主社会党(PSDB)のカルロス・サンパイオ下院リーダーは、連邦検察庁にこの件についての捜査を行なうように求めている。奇しくもコイアニアが保健省とつながりを持ったのは、同党政権時にジョゼ・セーラ氏が保健相をつとめていた頃だ。