ニッケイ新聞 2014年2月1日
先日取材で訪問したパラナ州カスカヴェルには二つの医科大学を含めた計八つの大学がある。それが影響してか、同地文協の二、三世の会員を見ると、医者や弁護士の割合が「非常に高い」と猪俣征幸会長が話した。
同会長によれば「そういう会員ほど日本語を話さないが、子弟に日本語教育をしっかり受けさせようとする」。事実、現在40人ほどが受講する文協の日本語教室に通う生徒の親の多くは、医者や弁護士だという。
日本の進出銀行に長く勤めた日本語が達者なある二世が「こき使われるばかりで、とても息子に薦められるような職場じゃなかった」と日本語教育に積極的でなかったのを思い出した。
当地で高等教育を受けている両者だが、日本語継承という点では、あまり日本語を話さない方が次代を育てているのはなんとも皮肉だ。(酒)