ニッケイ新聞 2014年2月1日
6月に迫ったW杯に向け、日系5団体が「日本人支援委員会」を昨年末に立ち上げた(本日付け7面)。記事を読み、取材記者に話を聞きながら、疑問がつのった。まずは文協である▼「広報窓口」という。先月31日付け「ど~なってるの? 文協改修」関連で、1億円の寄付金授受後、「状況を説明する記者会見をする」とトップが明言しながら、平気で反故にする団体である。日本語版が貧者な「文協サイト」の存在すら認知されていないのにどうする。コロニア向けにすらできないことを、どうして日本人向けに出来ると思えるのか謎だ▼県連は「緊急時の宿泊場所」を提供するとか。5県人会が手を挙げたが、ベッドもなく、あくまで〃スペース〃。それも「積極的な呼びかけをしないこと」を確認している。緊急に宿泊場所が必要な人が、どういう形で存在を知るのか。バールで飲んでいる会関係者に聞くのか。ならば自宅に泊めればいいではないか▼援協は「緊急時の医療対応」。事務局は「適応できる保険をHPで」とか。それは緊急ではなく通常業務だ。言外に「保険がなければ困る」と言っているに等しい。こういう支援ヅラは、同胞に失礼ではないか▼大原則だが、旅行は自己責任が基本。加えて、想定がネガティブであることがおかしい。チケットが取れなかった人と日本を応援する空間を共有する場をつくる、移民史料館を期間中開放し歴史を知ってもらうなど、現実にできること、ポジティブなアイデアはないのか。日文連、商議所は何をするのだろう。コロニアお得意の委員会立ち上げ(たら安心)には、いつもながら呆れる。(剛)