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1月の貿易収支は大赤字=中銀統計史上最悪の数字=40億6千万ドルの大穴

ニッケイ新聞 2014年2月5日

1月の貿易収支は、現行の統計方法が開始された1994年以降最悪の、月間40億6千万ドルの赤字を計上した、と商工開発省が3日発表した。4日付フォーリャ紙によると、この数字は中央銀行が統計を取り始めた1959年以降でも最悪となっている。

1月は例年、歳末商戦で減少した在庫の補充などで消費財の輸入が拡大する方、農産物の端境期に工場の集団休暇などが重なり、輸出が減る傾向にある。これまでの貿易収支赤字額が最大だったのは13年1月で、同月は12年に購入した石油関連商品の登録期間が延長された事もあり、業績が悪化と伝えられた。

ところが、本年1月は燃料輸入が昨年1月より20%減り、輸入超過額は約半分の15億ドルになったにも関わらず、消費財など全てのタイプの輸入が拡大した。その一方で輸出が伸び悩んだ事などで、13年1月の40億4千万ドルを1700万ドル上回る史上最悪の赤字月となった。

1月の輸入総額は200億8千万ドルで、昨年同月比8・8%増えた電子電化製品や家具、衣服、食料品などの消費財始め、機械類7・1%、原材料や半製品3・2%などと軒並みの輸入増加で、燃料購入に伴う輸入超過減少分は帳消しにされた。

これに対して輸出は、中国向けが27・7%、米国向けが11・4%増えた一方、アルゼンチン向けが13・7%、欧州向けが5・0%縮小し、月間輸出額は160億3千万ドルで終わった。項目別では一次産品輸出が5・3%増えた一方、加工品輸出が2・6%減、半加工品の輸出も5・8%減少した。

商工開発省は、前年同月比での輸出は4カ月続いて成長しており、年間業績は回復すると強調。3日朝は下がり始めていたドルは、中国や米国の経済指標が予想を下回った事などで上げに転じ、前営業日比0・70%高の1ドル=2・43350レアルで終えた。

4日付エスタード紙によれば、国際通貨基金は14年の世界経済は3・7%成長するが、ブラジルの交易国の成長は3・2%程度との見通しを発表したが、市場関係者は、ドル高基調が続けば貿易収支は改善に向かい、最終的には82億ドルの黒字になるとみている。

中銀は更に楽観的で、昨年の貿易収支黒字額26億ドルの4倍近い100億ドルの黒字との見通しを発表済みだ。経常収支の赤字額が外国直接投資で補えなくなったブラジルでは、貿易収支の改善には工業界の競争力回復などが期待されるところだ。