ニッケイ新聞 2014年2月6日
職場の仲間と一緒に年末の宝くじに参加し、見事当選した女性が、息子を誘拐したから身代金を払えと要求されたが、警察が捜査した結果、息子と友人による狂言誘拐であった事が判明した。
身代金30万レアルを要求されていたのはバイア州テオフィランジアの市立病院に勤務していた女性だ。この女性は病院職員ら22人と共に宝くじに参加。一等当選の賞金5600万レアルは掛け金として払った額に応じて山分けされ、210万レアルを受け取った。
それを知った息子は、車や家を買いたいから30万レアルを分けてくれと申し入れたが、母親から断られたため、友人と二人で狂言誘拐を企画。住んでいたサンパウロ州バルゼア・パウリスタから母親に電話して、身代金を要求したのは息子自身だったという。
そうとは知らぬ母親は1月23日に、サンパウロ州に住む息子が誘拐されたらしいとテオフィランジアの市警に相談。母親からの相談内容に疑問を感じたテオフィランジアの市警は、サンパウロ州の市警とも連絡を取り合って捜査を進めた。
サンパウロ市警が息子とその友人を逮捕したのは1月31日。二人共、同州内陸部のジュンジアイにある留置所に送られたが、事件の性質上、警察も二人には前科はないというだけで、母親や息子、友人の名前はいずれも公表されていない。
年末宝くじの1等当選者はテオフィランジア以外にも、アラゴアス州のマセイオとパラナ州のクリチバ、パロティーナの3カ所で計4組出ており、総額2億2460万レアルが山分けされた。(4日付フォーリャ紙などより)