【既報関連】今年の夏は猛暑と少雨で、サンパウロ州内陸部では例年より早く給水制限開始と4~6日付伯字紙が報じている。
水不足が最も深刻なのはカンピーナス周辺で、ヴァリーニョス市やヴィニェード市では既に給水制限が始まった。同地域の川は、例年は毎秒202立方メートル(以下、立米)の水が流れるピラシカバ川も19・88立米、アチバイア川も37立米が6・54立米、ジャグアリ川も30立米が9・8立米と軒並み水位が低下したが、カンタレイラ水系からの取水量は最低限の毎秒3千リットルに制限している。
一方、ブラジル最大の水源地であるカンタレイラ水系は、貯水池の水量がここ10年で最低の21%台に落ち込んだが、アウキミン知事は「(降雨が予想される)15日までは給水制限不要」と発言した。ただ、同水系の貯水池への水の流入は毎秒5千リットルで、サンパウロ州水道会社は4~9月の乾期用の予備水源(バンコ・ダ・アグア)からも毎秒6千リットル取水しており、同水系の水位低下が続いている。
連邦検察庁と州検察局は5日、ピラシカバ・カピヴァリ・ジュンジアイ川流域審議会(PCJ)から出ていた、予備水源からの取水禁止要求を支持する姿勢を表明した。これに対し州政府は、大サンパウロ市圏の47%に給水するカンタレイラ水系での取水制限は即刻の給水制限を意味すると反対。その上で出てきたのが、「20%節水したら30%の料金を割引くというキャンペーンが奏功すれば、同水系も15日まで供給制限不要」との発言だ。
5日には、国家水資源庁とサンパウロ州の水資源・エネルギー局の合同委員会が設置され、給水制限回避のため貯水池水位と雨の予報を逐次モニタリングすることを決めたが、同じ日に、イトゥー市は午後8時~翌朝4時の給水制限を発表。カンピーナス市では、歩道を水で洗ったりする人には最終月の水道料の3倍の罰金を科すと官報に掲載した。
サンパウロ州内陸部で給水制限=ピラシカバ川は川底露呈
ニッケイ新聞 2014年2月7日