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ソチ五輪ブラジル代表選手に悲劇=体操から転向のライスが瀕死の重傷

ニッケイ新聞 2014年2月8日

 7日、ロシアのソチで冬季五輪が開催されているが、この大会に出場する予定だったブラジルの女性選手に悲劇が起こっている。

 女子のスキー・ジャンプに出場する予定だったライス・ソウザ選手(25)は1月28日、遠征先のアメリカユタ州のソルト・レイク・シティでスキーの途中、転倒し頚椎を損傷する大怪我を負ってしまった。ライスは五輪への出場どころか、生命の危険にさえもさらされている。

 今回の五輪で、ライスは注目の選手だった。それは彼女がもともとは体操の選手として知られていた人物だったからだ。ライスは16歳だった2004年のアテネ五輪と20歳だった08年の北京五輪にブラジル代表チームのひとりとして出場している。

 ライスは、その体操代表チームの中でも特に期待の選手と目され、2005年にサンパウロで行なわれた体操ワールドカップでは跳馬で銀メダルに輝き、07年のパン・アメリカ杯では跳馬と段違い平行棒で銅メダルを獲得していたほどだった。

 だが、北京五輪後に膝を故障し、競技活動から3年間離れた。12年のロンドン五輪には開催前年から調整し、滑り込みで代表に選ばれたが、直前の平行棒の練習中に腕を痛め、急遽代表から外れていた。

 その翌年の13年、ライスはスキーのジャンプに転身することを表明。体操で培った体験を活かし、転向早々にソチ五輪への出場権を獲得した。だが、ロンドン五輪での雪辱を晴らすところが、それ以上の生死に関わる大事故を起こしてしまった。

 ライスはネヴァダ州で手術を受けたが、その後も腕と脚が麻痺した状態で動けず、呼吸も人工呼吸器の助けがないとできず、飲食もままならない状態だという。現在は入院先をフロリダ州マイアミに移して治療中で、呼吸器の助力は減ったとのことだが、依然として危険な状態が続いているという。

 冬季五輪ではこれまでさしたる実績のないブラジルだが、このライスの件を発奮材料に奮闘してほしいものだ。

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