連邦検察庁は7日、かねてから「メンサロン・ミネイロ」という異名で注目されていた汚職事件の中心人物である元ミナス・ジェライス州知事のエドゥアルド・アゼレード現連邦下議(民主社会党・PSDB)に対し、22年の懲役、220万レアル罰金支払いという実刑を最高裁に求めた。8日付伯字紙が報じた。
メンサロン事件で大方の被告への刑が執行された今、今度はPT(労働者党)の政敵であるPSDBの大型汚職事件で検察庁が動きはじめた。
検察庁の訴状によると、アゼレード氏はミナス・ジェライス州知事だった1998年に、再選に向けたキャンペーンで、350万レアルの公金横領とマネー・ロンダリングを行なった疑いが持たれている。
横領された公金は、ミナス州水道局(COPASA)から150万レアル、ミナス州電力公社(Cemig)から150万レアル、旧州立銀行であるミナス州立銀行(BEMEG)から50万レアルとなっていた。
これらの金は同州の企業SMPBが主催する三つのスポーツ・イベントへの協賛金として支出されたが、これがアゼレード氏の選挙運動資金に回されたと見られている。
SMPBはメンサロン事件の資金流通面の主犯として40年の実刑判決を受け、現在服役中のマルコス・ヴァレーリオ氏の企業だ。この事件に関して、農業銀行がSMPBに対し1100万レアルの架空名義の貸し付けを行なっていると疑われてもいるが、この農業銀行もメンサロン事件に絡んだ銀行だ。
検察局はこの疑惑に対し2007年11月の時点で告発を行い、09年に最高裁がこれを正式に受理した。ロドリゴ・ジャノット検察庁長官は、アゼレード氏をメンサロン事件の計画の張本人とされている元官房オ長官のジョゼ・ジルセウ氏と比較し、様々な人を使って計画を実行したにも関わらず、決して表面に出ることはなく、常に水面下に止まって、自分自身が関わっていないよう見せかけようとしていた、としている。
また、アゼレード氏とヴァレーリオ氏との間には2000年7月から2004年5月の間に57回もの電話のやりとりが記録されているという。
また、この疑惑では、当時アゼレード氏の副知事をつとめていたヴァルフリド・ギア氏(ブラジル社会党・PSB)や、98年の選挙でアゼレード氏の副知事候補だったクレージオ・アングラーデ現上院議員も関与したとして訴えられていたが、ギア氏は1月に70歳となったため、高齢を理由に訴えを取り下げられている。
この件を受け、PSDB党首で10月の大統領選への出馬が有力視されているアエシオ・ネーヴェス氏は、アゼレード氏の無罪を強く訴えている。アエシオ氏はミナス・ジェライス州知事を2003年から2期つとめている。
なお、この件での最高裁裁判のめどはまだ立っていないが、報告官はルイス・ロベルト・バローゾ判事が務める。