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マナウス=スタジアム建設でまた死者=クレーンの鉄製部品が直撃=ポルトガル人技師が犠牲に

ニッケイ新聞 2014年2月11日

W杯に向けてアマゾナス州マナウスで建設が進むスタジアム「アレーナ・ダ・アマゾニア」で7日、同スタジアム工事では4人目となる死者が出た。8日付フォーリャ紙などが報じた。

亡くなったのはポルトガル人の作業員ジョゼ・ピタ・マルチンスさん(55)。7日午前8時頃、スタジアム横のコンベンションセンターのエリアで屋根の作業に使われていたクレーンを解体している途中、クレーンの鉄製の部品が落下して頭部を直撃、頭蓋骨を骨折し、胸部にも重傷を負ったとみられている。

マナウス市東部の病院に救急車で運ばれ手術を受けたが、同日午後12時半頃、手術中に心停止し、息を引き取った。

マルチンスさんはポルトガルに本部を置くマルティフェル社の社員で、同社は屋根の弧線製造と設置を、同州の建設会社アンドラーデ・グティエレス社に委託されていた。マルティフェル社によれば、事故当日解体されていたクレーンは、1月11日から使用されていないものだった。

この日、オズマール・アジズ州知事の視察が午前9時半に予定されていたが、この事故で見送られた。

W杯のスタジアム建設事故での死者はこれで8人に上る。そのうち事故に直接関連して亡くなった人はアレーナ・ダ・アマゾニアで3人、サンパウロ市のイタケロンスタジアムで2人、ブラジリアのマネ・ガリンシャで1人いる。また、ベロオリゾンテのミネイロン、アレーナ・アマゾナスで、それぞれ1人が、作業中に体調を崩して亡くなっている。

8日付エスタード紙電子版によれば、先週の時点で同スタジアムの工事は96・68%が終わっており、今月中の完成が見込まれている。

スタジアムは4万人収容、イギリス対イタリア、カメルーン対クロアチア、米国対ポルトガル、ホンジュラス対スイス戦が予定されている。

この事故でアウド・レベロ・スポーツ相、FIFA(国際サッカー連盟)のジェローム・ヴァルケ事務局長がそれぞれ追悼のコメントを出した。