ニッケイ新聞 2014年2月11日
【既報関連】ブラジル最大の水源地であるサンパウロ州カンタレイラ水系の渇水は更に続き、9日の水位は水系内最大の貯水池ジャグアリーが15・49%、全体でも19・8%まで低下したため、最深部分からの取水も検討中と10日付伯字紙が報じた。
8日の時点では20・4%だった貯水量が、2004年まで取水可能な貯水量の限界値とされた20%を割り込んだが、サンパウロ州水道会社は昨年末、カンタレイラの貯水量が14%を切るまで取水を継続と発言していた。
同水系の2月の平均降水量は202・6ミリだが、今年は8日までで1・3ミリと極度の少雨だ。貯水池の水位回復が始まると見込まれていた1月も87・8ミリだから、四つの貯水池を繋ぐトンネルよりも低く、取水限度とされた14%を割り込む可能性もある。
国家水資源庁とサンパウロ州水資源エネルギー局、カンピーナス地方のピラシカバ、カピヴァリ、ジュンジアイの3河川監視団体(PCJ)とチエテ川上流(アウト・チエテ)の監視団体は、14%以下の最深部での取水の検討を開始。その場合の水質確保はより困難で、貯水池の回復にも10年を要すると言われている。
サンパウロ市では8日、2月としては1943年の観測開始以来の最高となる36・4度を記録。この気温は月間記録全体でも史上5位だが、国立気象観測所では、まとまった雨が期待される17日までには1999年1月20日に記録した37度を超え、新記録樹立の可能性もあると見ている。
水量が減って川底が露呈し始めたピラシカバ川ではタイヤやTV、乳母車といったゴミも姿を現わし、川底をきれいにとのネット上の呼びかけで9日朝、ボランティアによる大掃除も行われた。