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[シリーズ] 本当に大丈夫? サッカーW杯=試合都市の交通インフラ改良の完成度はわずか25%=(4) ナタル編

ニッケイ新聞 2014年2月12日

リオ・グランデ・ド・ノルテ州都ナタル。ポルトガル語でクリスマスという意味のこの町では、ナタル大都市圏内サンゴンサーロ・ド・アマランテ市の新空港から、市内にアクセスする道路の一部の工事が、昨年12月の時点で20%しか進んでいないという。

この空港からナタル市内に行くルートは他にないため、W杯でナタルを訪れる乗客にとって大きな損害になることは間違いなく、危機的状況となっているようだ。

そもそも、工事の入札が行われたのは2009年だが、工事が始まったのは2013年8月になってからだった。空港北側からのルートの完成は3月、南側からのルートは5月と見込まれている。空港に最初の航空機が降り立つのは4月3日の予定だという。

プロジェクト予算は7300万レ(約30億6600万円)。二車線で全長33・7キロメートルの道路は、北側からのルートが国道406号線に、南側からのルートは304号線、226号線に通じることになる。

同州道路局(DER)ディレクターのデメトリオ・トーレス氏によれば、工事の実施期間は入札から24カ月以内と定められていた。落札したケイロス・ガルボン社は、連邦貯蓄銀行との融資契約が4月1日に調印となり、入札から既に24カ月以上経っていたために辞退した。そこで、入札で二番札だったEIT社が急遽工事を担当することになったというわけだ。

州政府はガルボン社に対し、24カ月の半分以下である11カ月で工事を終わらせることを提案したが、同社が受け入れなかった。

EIT社は4月6日に契約を結んだが、工事が始まったのは8月になってから。11月までに森林の伐採、地ならしなどの土木作業が終わったといい、アスファルトの敷設はこれから始まるという。「懸念は常にあるものだが、現在は全て計画通りに行っている」とトーレス氏。

空港については、12月時点で69%が完成している。空港は年間620万人の利用が可能で、八つの搭乗口に45のチェックインカウンターを備える。建設を担う企業連合のインフラメリカ(Inframerica)のアリソン・パオリネリCEOは、「新しい近代的な空港の完成で、ナタルの観光地としてのポテンシャルが高まる。利用客にとっても航空会社にとっても素晴らしい施設に整えたい」と意気込む。

同空港の貨物ターミナルは年間1万トンの処理能力があり、4月に完成予定だ。これによって同州からの輸出はより増えると見込まれている。(昨年12月12日付G1サイトより)