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ギリシャヨーグルトがブーム?=クリーミーな質感が話題=「質の高い商品求める傾向」

ニッケイ新聞 2014年2月20日

普通のヨーグルトよりも濃厚で、クリーミーな食感が特徴のギリシャヨーグルトがブラジルにも上陸し、ヨーグルト業界では新たな〃金脈〃として話題を呼んでいる。

当地では諸外国同様、液体状でボトルに入ったヨーグルト、固形でカップに入ったヨーグルトがメジャーだが、ギリシャヨーグルトは、乳製品を中心に展開する食品会社ヴィゴールが2012年後半に最初に販売して以来、知名度が上がった。

現在はネスレ、バタヴォ、ダノン、イタンベなど主要なメーカーがこぞって売り出し、ブラジルのオリジナル・ギリシャヨーグルトの開発にも勤しんでいる。ヴィゴール社はゴイアバ(グァバ)味の商品、バタヴォ社はより液体状の商品―といった具合だ。

しかし、ギリシャヨーグルトというものの定義は明確になっていないため、国によってその形態はさまざま。ブームの発祥地ヨーロッパのギリシャヨーグルトは脂肪分を多く含む上にタンパク質は少ないため、市場の存在感は薄いという。

一方、米国ではその反対で、タンパク質が豊富、市場全体の売り上げの23%を占めている。

そもそも、ギリシャヨーグルトとはその名の通り、ギリシャの家庭で広く食べられており、ほとんどが手作り。手作りの食品は多くの場合、それぞれの家庭でレシピがあるものだが、この国による違いも、それぞれの国民の好みに合わせて作られているということのようだ。

ブラジルでギリシャヨーグルトと銘打って売られているヨーグルトの大半が、市場への参入度の面でも栄養価の面でもヨーロッパに近く、脂肪分が豊富でタンパク質も少ない。コンサルティング会社ニールセンによれば、昨年、ブラジルでの市場でのシェアは2・3%だった。

まだまだメジャーな存在とはいえないギリシャヨーグルトだが、業界関係者の今後の期待は大きい。その理由の一つとして、ダノン社のリカルド・ヴァスケスマーケティング副部長は「グルメ志向の高まり」を挙げる。同氏によれば、ギリシャヨーグルトは昨年12月には市場全体の売り上げの3・2%を占めるようになっており、業界各社は今年に向けて10%達成を目指すとみられている。

「ブームは一時的なものである可能性があるが、それでもいい。重要なのはギリシャヨーグルトが成長することで、消費者は質の高い別の新たな商品を今後も求め続けていくだろう」と話す。

一方で、当地の〃ギリシャヨーグルト〃という名でのヨーグルト販売は、「完全にマーケティング戦略」とする専門家もいる。サンパウロ大学の乳製品技術の専門家カルロス・オリベイラ氏は、「ブラジル以外の国では、ギリシャヨーグルトと呼ばれるものはもっと酸味があるが、ここでは甘い。ブラジルの消費者は甘いものを好む傾向が強いので、メーカーはそれに合わせているだけ」と指摘する。

「何ヨーグルトでもいい。重要なのは栄養価の高い商品を消費者に届けること」と締めくくった。(18日付エスタード紙電子版より)