ニッケイ新聞 2014年2月20日
サンパウロ市市役所が、障害者が特別仕様のタクシーを利用した時の料金を負担する事にしたと19日付フォーリャ紙が報じた。
2010年の国勢調査によると、サンパウロ市には運動機能障害者が67万4409人おり、通勤や通学、医者通いその他の用件で車を必要とする人のためにAtendeというサービスを実施。そのための特別仕様のバンは388台あるが、これらのバンの利用回数は月10万回を数える。
特別仕様車での対応は市民から頻繁に苦情が寄せられる項目の一つで、市役所も対応が次第に困難になっている。このため市は、数カ月間かけて車椅子のまま乗れるよう装備された特別仕様のタクシー89台を登録、障害者が利用した場合の料金を支払う事にした。
市が料金を払うのは20日以上前に予約を入れて特別仕様のタクシーを利用した場合で、このための費用には年200万レアルが確保される。Atendeのバン利用者は1日4500人で、市役所は新たなサービス導入で障害者も週末のイベントや文化活動などに参加し易くなると判断。約900人分がタクシーに移行と見込んでいる。
市役所では、現在は裁判所の命令に基づいて行われている視覚障害や聴覚障害を持つ人へのサービス拡充も検討中で、年末までにAtendeで対応出来るよう、体制を整えていく意向だ。