ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ダッタフォーリャ=抗議運動への反感高まる=暴力や死亡事故の影響か=W杯開催への懐疑派も増加

ダッタフォーリャ=抗議運動への反感高まる=暴力や死亡事故の影響か=W杯開催への懐疑派も増加

ニッケイ新聞 2014年2月25日

ダッタフォーリャによる最新の世論調査によると、抗議行動に対する国民の反感感情が上昇傾向にあり、ワールドカップ開催中のマニフェスタソンの実施について、反対者が賛成者の約2倍存在することがわかった。その一方で、ブラジルでのW杯の開催に国民が賛同できなくなってきていることもわかった。24日付フォーリャ紙が報じている。

今回の調査は全国161市の2614人を対象に19~20日に行ったものだ。

まず、「ブラジル内での抗議行動に賛成か」との問いに「賛成」と答えたのは国民の52%、そして「反対」と答えた人は42%に上った。昨年8月7~9日に行なった同調査では「賛成」が77%、「反対」が18%だったことから、反対票が大幅に増えてきていることがわかった。昨年6月の全国規模でのマニフェスタソンの直後には「賛成」が80%を超えていた。

さらに「W杯開催中でのマニフェスタソン実施に賛成か」との質問には、「賛成」が32%だったのに対し、「反対」が63%とほぼ2倍となった。

こうした抗議運動への反感が高まる結果となったのは、このアンケートが7日にリオで起こったバス代賃上げ反対のマニフェスタソンの際に、ジャーナリストが頭に爆発物を受け死亡した直後だったことも大きかったと思われる。それ以前にも、主張そのものよりも無軌道化する暴力行為の方が目立ってきていたブラック・ブロックスの抗議態度を問題視する世論も強くなっていた。

だが「W杯のブラジル開催には賛成か」との質問に対して「賛成」と答えたのは52%にとどまり、その一方で「反対」が38%に上昇した。これと同じ質問に08年11月の時点では「賛成」が79%で「反対」はわずか10%しかおらず、昨年の6月のマニフェスタソン後でさえも「賛成」は65%あった。それが、ここに来て賛成票が減ったのは、連日報道されるブラジルの景気後退や、W杯開催のためのスタジアムやインフラの準備の遅れなどがあるものと思われる。

「抗議行動に賛成」という人は、大学での教育を受けた人の間で72%と多く、高校までの教育で終わった人の37%を大きく上回っている。さらに地区別で見ると南伯が60%で抗議行動に賛成しており、北東伯が46%と最も賛成に消極的だった。南東伯では55%だった。