メンサロン事件の存在を世に暴露したロベルト・ジェフェルソン氏が24日、当初の予定から約3カ月遅れて、同事件に関する罪で刑執行をはじめた。ジェフェルソン氏の刑執行をもって、同事件の被告25人の内、19人が刑に服したこととなった。25日付伯字紙が報じている。
ジェフェルソン氏は24日、リオ州レヴィ・ガスパリアン市にある自宅で逮捕され、リオ市に連行された。膵臓癌の持病を持つジェフェルソン氏は、法医学研究所(IML)での身体検査の後、バングー刑務所内の医療機関で診察を受けた。同氏は夜のうちにニテロイにあるフランシスコ・スパルゴリ・ロッシャ(FSR)刑務所に送られ、そこで刑執行をはじめることとなった。
同氏は昨年の11月15日に、元官房長官のジョゼ・ジルセウ氏ら15人と共に同裁判で最初に刑執行の命令を受けた被告となっていた。だが、かねてから癌闘病のために自宅での刑執行を望んでいたことなどもあり、ジェフェルソン氏の刑執行は遅れていた。その結果、同氏は癌の治療上、環境がもっとも良いと判断されたFSR刑務所での収監となった。
ジェフェルソン氏はブラジル労働党(PTB)党首だった2005年6月に自身の収賄疑惑が発覚した際、第一期ルーラ政権がはじまった2003年に労働者党(PT)が連立与党で同盟を組む党の連邦議員に毎月贈賄を行なっていたことや、当時官房長官だったジョゼ・ジルセウ氏やPT党首だったジョゼ・ジェノイーノ氏が主犯として関与していることを暴露。メンサロン・スキャンダルの口火を切った。同氏はこの収賄が原因となり、同年9月に下院議員の罷免処分も受けた。
ジェフェルソン氏はメンサロン裁判において、収賄とマネー・ロンダリングの容疑で、7年と14日の実刑判決と、72万800レアルの罰金刑を受けた。刑期が8年未満のため、昼間外出(セミ・アベルト)が認められることとなる。
ジェフェルソン被告は警察車両でリオ市に連行される直前、メンサロン事件を暴露したことについて、自身の好きな歌であるフランク・シナトラの「マイ・ウェイ」に関連づけ、「後悔などしていない。私は自分の信じた道を行く」と語った。また、セミ・アベルトではあるものの、ジルセウ氏やPTの会計だったデルービオ・ソアレス氏のように、昼間の仕事を行なう意思はないとも語っている。
このジェフェルソン氏で、メンサロン裁判で有罪となった25人の被告のうち、19人が服役中となった。19人中、9人は判事投票5対4と判決が微妙だった罪状を抱えて上告中で、26日からその審理が始まる。
残り6人のうち、3人は罰金刑や自宅謹慎などの比較的軽い罪状の被告で、2人は現在上告中だ。もう1人は、昨年11月の刑執行決定を前にイタリアに逃亡し、現地で偽証罪で逮捕されたエンリケ・ピゾラット被告で、検察庁が24日にブラジル外務省に提出した、同氏をブラジルに送還するよう求める書類は、近日中に伊国政府に送付される。