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ジウマがEUを痛烈批判=ZFMの理念を持ち出し

ニッケイ新聞 2014年2月26日

 【既報関連】ジウマ大統領は24日、ベルギーのブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)との首脳会議などの席で、EU側からの保護主義批判は「主張が矛盾している」として激しくやり返した。24日付伯字紙が報じている。

 EU諸国は今月上旬、ブラジルの国内企業に対する優遇税制や輸入関税、マナウス・フリーゾーン(ZFM)での優遇税制の規定は保護主義貿易にあたるとして、世界貿易機構(WTO)に提訴、改革の実施などを要請していた。

 だが、ジウマ大統領はそれに対し、EU諸国の経済の自由化の主張に矛盾があるとして厳しい批判を返した。大統領は「そもそもZFMの理念は、温暖化ガスの排出を最小限に止める電気電化製品の製造地帯を作ることを目的としたものだ」として、ZFMが当初からモットーとしている環境保護の立場を無視して自由主義貿易のための争点の場としていることに異議を唱えた。

 ジウマ大統領は、午前中のEU首脳との会議後と、その後に持たれたブラジルと欧州の企業家との会議の後に行なった記者会見の2度に渡り、この主張を繰り返した。EU首脳と会議後の会見では、ジョゼ・マヌエル・ドゥロン・バローゾ欧州委員会委員長とヘルマン・ファン・ロンパイ欧州理事会議長が出席している前で批判を行なった。

 大統領の演説を受け、バローゾ委員長は「私たちはZFMの環境問題の理念を理解しており、反対なぞしていない」と弁明した。

 自動車パーツや技術部門への投資を促がす政策「イノヴァール・アウト」については、「ブラジルのような国には必要な政策」であり、欧州企業も恩恵を受けていると説明した。欧州諸国はこの政策により輸入車に30%の関税が課されていることを問題視している。

 こうした問題がありながらもジウマ大統領は、EUと南米共同市場(メルコスル)との間の自由貿易協定に関して「合意により近づいている」と語った。